いまSNSで大きくバズっているのが、お笑いコンビ・エレガント人生。YouTubeのチャンネル登録者は30万人を超え、中込悠と山井祥子による絶妙な掛け合い、共感を呼ぶテーマ設定が多くの視聴者を引き付けている。

8月11日には単独ライブ『菊、あじさい、ハイビスカス』が、これまでで最大規模の会場となるルミネtheよしもとで開催される。ニュースクランチでは、単独ライブを控えている二人にインタビュー。どのようにしてエレガント人生が結成されたのかという原点から、動画へのこだわりや単独ライブにかける思いなどを聞いた。

▲エレガント人生(中込悠、山井祥子) 【Crunch-curious-intervieW】

親を説得するためにプレゼンをしました

――芸人として活動しようと思ったキッカケを教えてください。

中込悠(以下、中込) 小学生の頃にクラスで「お笑い係」という係があって、仲がいい友達と一緒に入ったんです。それまでは表に立つことが得意ではなかったんですけど、いざ披露してみるとクラスでめちゃくちゃウケるんですよ。お笑いに目覚めたのは、そのときだった気がしますね。

山井祥子(以下、山井) 私は幼稚園の頃から子役になりたいと公言していて、とにかくなんでもいいから芸能界に入りたかったんです。人を笑わせるのが好きだったし、お笑いを見ることも大好きな子でした。小学校低学年くらいから自分のことを特別だとか、才能のある人間だと思っているような子でしたね(笑)。それがずっと根っこにあったので、作文を書いたり、演技をしたりといった表現をすることも好きで、その延長線上でお笑いとして成功したいという思いがありました。

――小さい頃から目立ちたい願望があったんですね。

山井 ありました。まったく明るい人間ではないんですけど、学芸会の主役をやったり、司会をやったり、目立つところには絶対に参加している子でした。普段は暗いんですけどね(笑)。

――その当時、好きな芸人さんはいたんですか?

中込 仲の良かった友達が志村けんさんが大好きで、一緒になってドリフのコントをそのまま披露していました。ドリフのお笑いって完成されているので、小学生が真似してもウケてくれるんです。よくクラスの人を笑わせていましたね。最初はドリフから入って、当時は『笑う犬』(フジテレビ系)が全盛期だったのでウッチャンナンチャンさんを好きになり、ダウンタウンさんも好きになって、という感じでした。

山井 お父さんがお笑い好きだったので、小学校の頃からルミネで開催されていた公演にもよく行ってたんですよ。当時はペナルティさんとかゴリエさんが流行っていたんですけど、私は特にラーメンズさんに影響を受けましたね。

――芸人としての活動をスタートする前に、中込さんは就職しているそうですね。

中込 そうなんです。就活となると“自分が本当にやりたいことはなんだろう”と考えると思うんですけど、頭の中にお笑いが常にあったんです。でも、周りの就活生を見ていても、今のようにみんながやりたいことをやるという雰囲気ではなくて、普通に企業に入るのが一般的だった時代だったので、お笑い以外に興味はなかったのですが流されてしまいましたね。

いろんな業界を幅広く受けて、最初に内定をもらった銀行に就職しました。でも、銀行ってお笑いとはかけ離れた世界ということもあって、真逆にある“お笑いという存在”を余計に意識してしまって……。それで、意を決してお笑いの道に進むことに決めました。

――山井さんはいかがですか?

山井 高校生の頃に、お笑い芸人になろうと決めていたので、当時はガラケーを使って、芸人になったときのために財産となるものを撮っておこうと思って、モノマネをやったりとか、自分に向けてのビデオレターを撮ったりとかして、だいたい300件くらいの動画を撮り溜めしていました(笑)。

でも、やっぱり大学生になると将来に対して現実的になっていきますよね。私も将来はOLをやりながら、趣味でお笑いをやるほうが楽しいのかなとか思っていたんですけど、大学があまりにも面白くなくて……。いろんな芸人のコント動画を見たり、ライブに行ったりしていくうちに、改めて私の人生を楽しくするためには“芸人にならなきゃダメだ”と思って、大学2年生からNSCに通い始めました。

――お笑い芸人を目指すこと対して不安はなかったですか?

山井 正直、めっちゃ怖かったですね。これまで敷かれたレールの上を歩んできたのに、急に芸人というマイノリティな生き方するのって大丈夫なのだろうか、と考えてしまって……。でも、その不安な気持ちも2~3年で麻痺しましたね。ほかの芸人たちと一緒にいると、その環境が普通になってきてしまうので(笑)。

――そういうものなんですね(笑)。ご両親の反応はどうだったんですか?

中込 最初は大反対でした。特に母親は、僕が早稲田大学や銀行に行くことがすごくうれしかったみたいで、その真逆にあるお笑いの道に行くと伝えたときは残念がっていました。親としては安定してほしいという気持ちがあったんだと思うし、それが当たり前だと思うんですけど。今は応援してくれていますけど、最初はやめてくれという感じでしたね。

山井 プレゼンしたんでしょ?

中込 そうだね。親を説得するために、なぜ芸人になりたくて、どういう道筋に進んでいくか、みたいなことをプレゼンしました。

――親を説得するにしては徹底されていますね。

山井 私の父親はお笑いライブに連れていってくれたりしていたので、NSCの入学費用さえ払えればやっていいよって感じでした。母親は応援してくれてはいるんですけど、今でも安定した将来を歩んでほしいのか、「お金持ちの男性と付き合ってみるのはどう?」みたいなことを言ってきます(笑)。

▲人柄の良さがにじみ出ているインタビューだった