7月10日(木)にアーカイブブック『Y』を発売する小関裕太。2014年から2024年までの雑誌“プラスアクト”シリーズにおけるインタビューと写真を抜粋再構成し、新たな撮り下ろしと最新インタビュー&座談会を加えたメモリアルな一冊となっている。

撮り下ろし写真は、伊豆大島でもロケが行なわれ、大自然の景色はもちろん、旅を満喫する小関の自然な表情も収められている。今回は、小関に発売前の気持ちや、ロケの思い出、この10年間を振り返って感じる気持ちの変化などを伺った。

 

たくさんの出会いがあった大島ロケ

――伊豆大島での撮影についてお伺いします。撮影そのものに限らず、美味しかったものや感動した出来事、印象に残っている出会いなど、思い出があれば教えてください。

小関:はい。まず、ファースト写真集のときもそうでしたが、今回も編集の方がすごくグルメで、ご飯のチョイスは間違いないんです。旅のしおりの中に、しっかりご飯の時間が確保されていて、それが楽しみの一つでした。島なので海鮮はもちろん鮮度が高くて美味しかったですし、地元の方が行くような定食屋さんもすごく美味しかったです。天ぷらもうどんも、お刺身も食べて、大満足でした。

――素敵な撮影旅行ですね。

小関:はい本当にそうでした(笑)。あと印象的だったのは、地元のお店の方々との会話です。30代後半から40代くらいの方がやっているお店が多くて、その方たちとたわいもない話をしていると、たとえば一度本土に出て、スタイリストやデザイナーとして活動した経験をいかして、地元・伊豆大島を盛り上げようとしている人が多くて。僕よりひと回り上くらいの世代ですけど、こういう働き方・意識を持って故郷に関わる人たちがいるんだと感動しました。

そういう新しい文化が生まれようとしている始まりを見たような感覚があって、面白い島だな、面白い人たちだなと感じました。街中に点々とある矢印やサインのデザインもすごく新しくて、伊豆大島の良さを残しながら、新しいものを作っていこうというエネルギーを感じました。

――素敵な出会いもあったんですね。

小関:はい。そして“裏砂漠”と言われている、黒い砂漠の地帯もとても幻想的でした。今回はドローンも使って撮影したのですが、カメラマンさんはファースト写真集の時と同じ方で、10年前には持っていなかったドローン免許を今回は取得されていて、引きの画も叶ったんです。僕も10年経ってるけど、カメラマンさんも10年分の経験を経て、すごく素敵な画を撮ってくださいました。

ロケーションも本当に幻想的で、地球じゃないみたいというか、他の星に来たような不思議な感覚でした。1月の撮影でしたが、黒い風景に包まれて、とても印象に残っています。

 

――10年を振り返る写真集というのは、やはり俳優としてのキャリアを積み重ねてきたからこそ出せるものだと思います。ご自身で「俳優」という仕事において、大切にしている考えやブレない軸があれば教えてください。

小関:軸は、“ワクワクすること”ですね。これは10代の頃からずっと変わっていない気がします。振り返ってみると、自分の目線からもそうですが、尊敬する方々や先輩が言ってくださった言葉と、自分が20代の頃にインタビューで話していたことがリンクしている部分もあって。大変なこともたくさんあったけれど、間違ってはいなかったんだなと、今になって頷ける感覚があります。

もちろん、20代で選ぶものと30代で選ぶものは同じではないですが、根底にあるのはその時々にワクワクしていることを、誰かと共有し、共感していくこと。それが自分の原動力になっていると思いますし、今も変わらず大切にしています。