年の瀬となる今だから振り返りたい2022年の思い出。ニュースクランチに登場していただいた方たちに2022年のベストブック、もしくはベストムービーを紹介してもらう「2022 My Best」。

コミックエッセイ『タイのひとびと』が話題の漫画家、小林眞理子さんに今年のベストムービーを2本選んでいただきました。

『戦場のメリークリスマス』

〇【予告編】『戦場のメリークリスマス 4K修復版』

苦し過ぎてもう見たくないと思う内容なのに、あまりに見事で今年もやっぱり見てしまった。東洋と西洋の価値観の違いが、どうしても相容れない状況で、独特の絆のようなものができていくのか、それもまた幻想なのか。。

切ない内容に舞台めいた過剰な演出がハマってるし、キャストの特異性は際立ってるし、映画という媒体を使った芸術実験みたいで攻めた作品なところが大好き。西洋人がいっぱいいるタイでも、日々、東洋と西洋の文化の違いを感じます。平和にお互いの違いを楽しめて尊重できる現代の環境はありがたいよ。

『赤線地帯』

〇【大映4K映画祭/赤線地帯】特別映像

これも好き過ぎて今年もやっぱりて見しまった。ストーリーというより、エピソードの積み重ねでリアリティを浮き彫りにしていく構成が好き。木暮美千代の悲壮感あるキャラから京マチ子の不良娘の振り幅ありつつ、結局は同じ穴の狢…!ってなる悲しい世界。それなのに女優たちのパワーで不思議と元気が出る良い映画。


プロフィール
 
小林 眞理子(こばやし・まりこ)
アジアが好きな漫画家/イラストレーター。Twitter(@mariko_asia27)、Instagram(mariko_asia_27)でタイでの楽しい日常漫画を配信中。