年の瀬となる今だから振り返りたい2022年の思い出。ニュースクランチに登場していただいた方たちに2022年のベストブック、もしくはベストムービーを紹介してもらう「2022 My Best」。

今年、初となる著書『東京芸人水脈史 東京吉本芸人との28年』を刊行した、「東京吉本芸人の父」と称されるライブ作家の山田ナビスコさんに、今年のベストムービー3本を選んでいただきました。

『男たちの挽歌 4Kリマスター版』

〇『男たちの挽歌 4Kリマスター版』予告

アラフィフ世代は『トップガン マーベリック』に狂気した1年でしたが、あえて同時代に公開されたこちらを。香港映画の歴史を変えたフィルムノワールの大傑作。まさか再びスクリーンで見られる日が来るとは! 公開当時、『トップガン』でMA-1が爆売れしましたが、『男たちの〜』でロングコートだって流行ったんですよ。『男たちの挽歌2』の4K劇場公開も強く望む!

『レイジング・ファイア』

公開は2021年の年末なのですが、今年に入ってからも数回見に行ったので。ドニー・イエン主演のクライム・アクション。久々にドニーの超絶アクションが堪能できます。来年還暦が信じられん! ドニー演じるボンは情に流されることなく、法の元に正義を遂行していく堅物。杉下右京が暴力解禁すると、こんな人になるんだろうなと思う。

『タローマン』

見てません。というか存在しません! しかし、今年は『タローマン』の1年だったので、どうしても書きたかった! NHKが制作した岡本太郎式特撮活劇。1972に放送されていたという体裁で作成されて、「タローマン展」では当時発売されていたという体裁でグッズも再現。受信料もこういうことに使ってくれるなら大歓迎だよ!

劇場版?は前番組『大権威ガ・ダーン』が敵役となり、タローマンと戦ったという設定のみの存在。来年も受信料払うから、本当に制作してくれー! 映画のことを書けというのにテレビのことを書くでたらめさはタローマンの教え。なんだこれは!


プロフィール
 
山田 ナビスコ(やまだ・なびすこ)
1969年生まれ、53歳。大学卒業後、カルチャー誌ライターなどを始める。1994年夏、吉本銀座7丁目劇場の求人募集に応募し、座付き作家となる。以降、東京吉本の若手ライブに関わるようになる。キャリア初期にテレビ番組に携わるも、不向きだと感じたため、ほぼ30年の作家人生の大半を若手芸人のライブシーンに注ぐ。現在も年間数百本のライブに携わり、東京吉本所属芸人たちの間ではレジェンド(都市伝説的存在?)としてその名を語られる。Twitter:@suimyaku2022