売れて行く背中を眺めた大阪時代
TKOの木本さんの謝罪会見を見た。
芸能人が会見をするのは、だいたいトラブルや不祥事。だが、今回は不倫やパワハラではなく、投資トラブルという少し難しい話。どんな会見をしても批判が来るだろうけど、木本さんはしっかりと答えていた。
途中、木本さんの人懐っこさが顔を出し、謝罪会見だというのに笑みを浮かべる瞬間も多々見られ、後輩ながらヒヤヒヤもした。
松竹芸能の芸人にとってTKOさんというのは特別なコンビだ。デビュー当時はイケメン2人として関西で人気が出たが、東京進出は何回も失敗した。
私が松竹に入ったときのTKOさんは、キャリアの中でまさにどん底で、全く仕事がなく、ライブでネタを披露する毎日。芸歴1年目の私には、TKOさんは半分ヤケになっていて売れるのを諦めていたように見えた。
当時の松竹はと言えば、オセロさん、よゐこさんが既に全国区で、ますだおかださん、アメリカザリガニさんがM-1の実力者として認識されていた。さらに安田大サーカスの三人が世に出ようとしてるタイミングだった。
だが、後輩のなかにも「TKOさんは正直無理やろ」という空気が漂うなか、レッドカーペットなどで人気を得て一気に全国区に。あれよあれよという間に人気番組に出まくるようになり、お茶の間に浸透していった。
ゼロどころか、マイナスから売れていく背中を見せてくれた先輩、それがTKOさんだった。
だが、どれだけ売れても苦労を知っている二人は、後輩たちとネタライブを続けていたし、オジンオズボーン、なすなかにし、うしろシティなど私たちの頼れるリーダーだった。