賛否否否否両論あったけど
木本さんは怖いイメージあったけど、じつは後輩思いで、私に子どもが生まれたときには電動自転車を買ってくれた。結婚したときには「新婚旅行に行ってないやろ! 正月ハワイ旅行行こう! 俺が10万出すから!」と言ってくれた。実際には正月価格で60万円もかかって、妻から「シーズンオフに行ったほうが安かった」と怒られるなど、おっちょこちょいな一面もあった。
だから、(良い意味で)めちゃくちゃ問題がある先輩だったけど、松竹芸人の中心にいたし、格好良いところも、(良い意味で)格好悪いところも見せてくれた。木本さんは、超正統派の松竹芸人だった。
会見に話をもどす。
会場がざわつく。
「あ、木下さんが出てきました」
久しぶりに見るTKOさん。ネットではめちゃくちゃ賛否否否否両論あるけど(もちろん良い意味で)、直属の後輩からすると込み上げるものがあった。
木下さんがスーツだ。
短パンでサンダルじゃない。
よし、第一段階クリアだ。
二人が並ぶ。
でかい。やっぱりちょっと威圧感がある。怖い(もちろん良い意味)。
木下さんが喋る。
「TKOは〜とにかく、苦労してる、おっさん……ですね」
絶対に言わなくてよかった。木下さんらしい(絶対良い意味)。木本さんも苦笑いだ。なんだこの会見は(100パー良い意味)。最高!
そんなTKOさんが再出発する。新たなウェブサイトももうできている。なんだか寂しさもある。私にとって松竹芸能といえばTKOさんだったし、その逆もそうだった。僕たちのひとつの軸がなくなった。大家族のなかで問題ばかり起こす長男がいなくなったみたいなもので、なんだかんだで寂しい。
こうなったら私が長男になるしかない。
よ〜し後輩にペットボトル投げながら投資するぞ〜(良い意味で)。
(構成:キンマサタカ)