『キングオブコント』に4年連続で決勝進出するなど、実力派コント師として知られるGAGが3月からツーマンライブを開催中だ。本ライブは彼らのマネジメントチームからの提案でスタートした、実力・人気を兼ね備えた若手コント師を迎えて行なわれる新プロジェクト。

全6回の開催で、4月は男性ブランコ、5月はニッポンの社長が出演予定となっている(ライブ配信あり)。本誌インタビューは3月、かが屋を迎えて開催された第1回終わりに敢行したもの。この新たな挑戦は、3人に確かな手応えと心境の変化をもたらしたようだ。

※本記事は『+act.(プラスアクト)2023年5月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。

“差し”とツーマンの違い

――今回のツーマンライブはマネジメントチームのBOSSから提案されて実現したものだそうですね。

SJ「自分たちからは絶対にやらないことだったので、最初に聞いたときはびっくりしました。で、やります! と即答させてもらいました」

福井俊太郎(以下、福井)「1回目の本番をやらせてもらうまでは正直、想像がついてないところがあったんです。大宮では差しライブっていうタイトルで同じように2組でのライブをやってるんですけど、僕はツーマンという言葉を今回初めて自分で使ったというか」

SJ「これが“差し”とツーマンの違いかって思ったよね?」

福井「はい。それくらい“差し”とツーマンは別物でした」

ひろゆき「たしかにね。個人的にめちゃくちゃ楽しみにしてたぶん、緊張もしてました。かが屋のふたりもめっちゃいい人だし、コントも面白かったので終わった今は楽しかったという気持ちしかないですね」

福井「差しライブを一緒にするような吉本の芸人は、ひろゆきに対していい意味で当たりがきついんですよ」

SJ「当たりがきついって、どういうものか想像がつかないと思うんですけど、例えば面白8文字!」

ひろゆき「えっと……(指を折りながら)セカンドチョイス! 無茶ぶりに近い感じなんですけど、これどういう説明!?」

――(笑)。現時点では全6回中3回目のゲストまで発表されていて、ネタはそれぞれ3本ずつ披露するそうですが、その3本は例えば新ネタだとか縛りはあるんですか?

福井「いえ、『キングオブコント』に向けてやっていこうというものでもあるので、決勝でやれるネタを出そうというか。いつものお客さんではない人たちの前でやれるようなネタを試したいなと思ってます」

SJ「僕、今日やってみて思ったことがあって。僕らのことを知らない人にも見てもらいたいという作戦からこういうライブになったんですけど、いざ舞台に立ってかが屋と(トークで)絡んでいるときに、(客席を見ると)お客さんが普段の顔じゃなかったのでありがたいなと思いました」

福井「不思議な感覚がありましたね。ウケもいつもとちょっと違うというか。僕らとしても、かが屋がウケたら(自分たちも)ウケないといけないなという感覚にもなったりして」

SJ「『キングオブコント』準決勝とかに近い空気だったかもね」

福井「次のゲストが男性ブランコで、その次がニッポンの社長なんですけど、2組とも直接絡んだことは今までない。BOSSは僕らとそこまで絡みがない、若くていいコントをしている芸人さんっていうのを踏まえて(出演する芸人を)選んでくれてるんですけど、今考えると僕らって、どなたかに頭を下げて一緒にライブをやってもらうっていう機会が今まで全然なかったんですよね。

で、今日初めてやってみて思ったのは、好意を寄せている異性の方を自分からデートに誘って、どうにか成功させないといけないと思ってる感覚と似てるなということ。かが屋に喜んでもらいたいってすごく感じましたし、今までやってきたお笑いライブとは向き合い方が全然違いました」

ひろゆき「福井君って、誰かに何かをお願いして一緒にやるのが苦手なタイプっていうのは本当にあって。劇場から出演者を選んで言われた場合、僕らは福井君がチョイスするんですけど、いつも同じメンバーにばかり声をかけてたんです。今回は新たな人と福井君との絡みがやったんで、さっき自分でも言ってましたけど、僕もライブ中、福井君に迎える側の責任感みたいなものがあるなを感じました」

福井「それでいうと、SJさんはバーっと(かが屋)に一方的に話しかけてたけど」

SJ「はい。SJ働きました!」

福井「喜んでもらいたいからの行動だったんでしょうけど、あれはデートでフラれるやつですね。で、ひろゆきさんは僕と立ち位置が一緒やったというか。かが屋のガチファンやからそうやったんかなと思ってたんですけど、僕としてはひろゆきさんにはもっと切り込んでもらいたかった」

ひろゆき「いや……トークのときって僕とかが屋のあいだに福井君がいたんですよ。で、その福井君が僕に背を向けてずっとかが屋に向かって喋っていたから、かが屋のふたりが見えなかったから話しかけらえなかったんです」

福井「え、そうやったんや。壁になってた? ごめんごめん、気づいてなかったわ」

ひろゆき「そう。次からはハの字でお願いします!」

――披露した3本のネタはバリエーション豊かでしたが、福井さんがメインとなってネタ作りされているんですよね。

福井「そうですね。今回に関しては、僕らのことをそこまで見たことがないお客さんが多いかなというのもあって、あのチョイスになりました。いつも見てる人だと見たことあるなと思うネタも1本入ってたんですけど、いつもより反応があって新鮮でした。そこも賞レースのウケ方に近い気はしましたね」

SJ「あぁ、俺もそう思いました」

福井「いつもやってる有楽町シアターとか大宮(大宮ラクーンよしもと劇場)とかに来てくれるお客さんは、極端にいうと賞レースのネタをやるような空気ではないというか。ずっと見に来てくださっているぶん、距離が近くなり過ぎて、最近あったことを話してほしいというような空気を感じることもあるんですよ。いつも来てもらえるのはもちろんありがたいんですけど、今日はちょっと違いましたね。(と、ひろゆきのほうを向いて)どうでした?」

ひろゆき「本当にそうでしたね。特に2本目のコントの冒頭、福井君とふたりのシーンのお客さんからあった反応は『キングオブコント』の予選っぽかった。その反応によって僕らも乗ってきた感覚がありました」

GAGさんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2023年5月号』に全文掲載されています。