新鋭の若手コント師としてメディアでも活躍しているザ・マミィ。メディアでは酒井のキャラクター性へ注目が集まっているが、コンビとしての真骨頂はコント。安定感のある物語性と意外性のあるキャラクターが見事に融合したネタは、多くの笑いを生み出し続けている。3月25、26日に東京・草月ホールで開催される『ザ・マミィ第4回単独公演「Bluff」』では、どんな新しい可能性を感じられるのだろうか。
※本記事は『+act.(プラスアクト)2023年4月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。
良いも悪いもすべて自分たちに返ってくる単独ライブ
――今年の単独は昨年と同じく草月ホールで3公演開催されるんですよね。
林田洋平(以下、林田) この雑誌が発売される頃は、がっつりとした稽古に入っていると思います。約1年ぶりの単独なので、いろいろと溜まっているものもあるんですけど、自分たちの今ある出来事からネタにしていけたらいいですね。
酒井貴士(以下、酒井) 単独はやっぱりいいですよねぇ。唯一、僕らが主役になれる日なんで。テレビとかにも出させていただいたりするんですけど、ネタをやりたくて結成したザ・マミィなので、たくさんの人に見てもらえたらなって。
――収容人数100パーセント、声を出していい状況でできるのも久しぶりですよね。
林田 あぁ、本当ですね。前回は前のほうだけ空けた状況でできたんですけど、笑い声が広がっていくのを2~3年ぶりに感じて……その楽しさったらなかったです。僕らもできたネタをぶつけたいし、お客さんも笑いたいから来てくれるんでしょうし、劇場だとか単独ライブとかでしかもらえないパワーみたいなものって絶対にあるんですよね。
テレビももちろん楽しいんですけど、さっき(酒井が)言ったみたいに単独は自分たちが主役の場っていうか。良いも悪いも全部自分たちに返ってくるっていう、ありそうで意外とない空間なんですよね。
酒井 ウケたら気持ちいいしね。スベったら露骨に伝わるので、その怖さも楽しみつつ最高の単独にしたいです。
林田 本当はツアーも計画したいなと思ってる段階ではあるんですよ。東京03さんやサンドウィッチマンさんが、最初は多少無理してでも早めに全国を回っておいたほうがいいよってお話ししてくださって。配信もいいんですけど、地方の方にも会いたいので実現できたらなと思ってます。
――先ほど、いろいろと溜まってるものがあると話してましたけれど、身近で起こったことをメモで残してるんですか?
林田 そうです。そのメモからいろいろと考えるんですけど、結局は(酒井と)合わせて作っていきます。
酒井 やりながら完成させていくから、本の段階で完成してることはないかもしれないです。やりながらこっちのほうが面白い、こっちのほうがいいよねっていうのを繰り返して完成させていくイメージですかねぇ。だから、新ネタは単独で下ろす段階ではまだ完成してないというか、舞台でやってようやく完成するみたいなところがあります。……あはは! すーーっごくかっこつけたこと言っちゃったよ! いやぁ、俺は林田の傀儡です。今は気取って喋っただけです。
林田 傀儡ではないけど、文字になるとだいぶ恥ずかしいことは言ってたね(笑)。堅いもんね、雑誌の文字って。LINEのデコった文字みたいなので書いてください!
――(笑)。単独で新ネタを下ろしたとき、思った反応が来なかったとかもきっとありますよね。
林田 それはめちゃくちゃありますね。
酒井 一番面白いと思ってたネタがウケないのは結構あることですけど、悔しいなって……。本当に下ろしてみるまでわからないですよね。見せ方を変えたらどうなるんだろうとか、いろいろとやってみるけど、どうしてもウケないネタもあって。そういうときは世間とずれ過ぎてるのかなと思ったりもしますけど、逆に一番面白いと思ってるネタが刺さったときは気持ちいいし、うれしいし。ネタがいっぱいできるって本当に貴重な時間ですよね。……はぁ、かっこいい人になっちゃってるよ! あららっ!
林田 あはは! めちゃくちゃ語ってたね。