認知症の原因②:脳卒中

認知症の原因となる脳の病気のうち、先ほど説明したアルツハイマー病と並ぶ代表的なものが「脳卒中」です。

脳卒中とは、脳の中を通っている血管の病気のことで、脳梗塞、脳出血、くも膜下出血の3つに大別できます。これらの病気のせいで頭がボケてしまうことを「血管性認知症」と呼びます(一方、アルツハイマー病が原因の認知症は「アルツハイマー型認知症」です)。

脳梗塞とは、何らかの理由によって脳内の血管が細くなったり、血管に血のかたまり(血栓といいます)が詰まったりして、十分な酸素や栄養が送られなくなることによって、脳の神経細胞がダメージを受ける病気を言います。

脳出血とは、その名のとおり、脳内の血管が破けて出血を起こしてしまっている状態を言います。

くも膜下出血というのは、脳を覆っている3つの膜のうち、真ん中のくも膜と、もっとも内側の軟膜の間にある空間に出血し、脳を保護している液体(脳脊髄液)に血液が混じってしまう状態のことを言います。出血の主な原因は、脳動脈瘤の破裂です。

これら3つの脳卒中は発生した場所が悪かったり、損傷の程度が重かったりすると、短い時間で死に至ることがあります。逆に程度が軽い場合は、あまり強い自覚症状もないことがあります。

頭痛、首の痛み、肩こり・首こりなどで医者にかかり、MR検査(MRIとも)によって過去に経験した軽度の脳卒中が発見されることもあります。

アルツハイマー型認知症は発見しづらい

ここでは認知症をわかりやすく理解するために、認知症は原因となる脳の病気別に、①アルツハイマー型認知症と、②血管性認知症のふたつに分類できると覚えておいてください。

MR検査で、大なり小なり脳卒中の痕跡が見つかった場合は血管性認知症、そうではなく脳卒中の痕跡がまったくない場合はアルツハイマー型認知症と診断されます。

血管性認知症はある意味でわかりやすいものですが、アルツハイマー型認知症の場合は患者の背景はひとつではなく、発見しづらい傾向にあります。

そして、最初の自覚症状は「嗅覚障害」に現れがちなのです。いい香りは脳が喜ぶ、香りで認知症を予防する、脳は使えば強くなる、毎日の掃除で脳をトレーニング、化粧で脳の老化にストップ、納豆はボケない食べ物……など、科学的な見地から認知症にならないための「戦略」もわかってきました。

ボケる生活習慣から、ボケない生活習慣へ。ぜひバラの香りをかぐことから始めてみませんか?