9月28日に20歳を迎える俳優・荒木飛羽。スカウトをきっかけに9歳の頃から俳優として活動を始めた彼は、今年で11年目というキャリアの持ち主だが、素直で素朴な印象も受ける。今回は、そんな彼に俳優という仕事をどう感じているのか、そして、演じていない素の自身の人柄についても話を聞いた。
演じることが楽しい
――お芝居とかお仕事をしていて、楽しいとか、やりがいを感じる瞬間はどんな時ですか?
荒木:やはり完成を見た時もそうですし、全く違う人の人生を歩めるので、そこに楽しさを感じています。自分が楽しいというよりは、その役を生きていて楽しいということが多いです。例えば結果完成した作品を見て、この役を自分が演じられたんだ、嬉しいなと思ったり、ワンシーンを終えて、このシーンすごく好きだな、よかったなと思ったりと楽しいことが多いです。
――演じる上で、苦労する部分などはあるのでしょうか?
荒木:台本を覚えるのは大変ですが、割と直感で楽しくできていると思います。
――監督によっては、自分が思い描いた演技と違うことをやってみてと言われることもあるのではないかなと想像しますが。
荒木:違うというより、もう少しこうしてみてと言われることはあります。でも、それも楽しいです。自分なりにこうしてみようってやってみることが楽しいですね。
――楽しんでお芝居をされているんですね! 柔軟なところも感じます。
荒木:小さい頃からこのお仕事をしているので、それが大きいと思います。

――年を重ねるにつれて、様々な役を演じることも増えたと思います。役へのアプローチの仕方で、変化したことはありますか?
荒木:今でも、直感で演じることが多いですが、最近は監督としっかり話し合うことも多くなりました。この役はどんな性格か、どういう時系列なのかなど、描かれていない部分を伺ったりして、イメージを膨らませていきます。あと、台本をしっかり読み込むことが増えましたね。
よく、インタビューで、役との共通点を聞かれることがあるのですが、僕は自分と似ていない役であればあるほど、お芝居が楽しいと感じるタイプです。自分に近い人物よりも、普通に生活していたら経験できないことが経験できる役のほうが楽しいですね。
――なるほど。基本的には、苦手な役柄というのはないんでしょうか?
荒木:明るい役が苦手です。普段友達と笑っている感じを出してと言われると、逆に難しくて笑)。昔から、笑うことが苦手で、写真を撮る時の笑顔も苦手で…。
――こんなにキャリアを重ねていると、笑顔も作れるようになるのかなと思いましたが。
荒木:僕は、笑顔を求められると、正直に「笑うのが苦手です」って言っちゃいます(笑)。友達と遊んでいて、一緒に写真を撮っても笑わないので、「笑ってる写真が1枚もないね」と、言われたことも。
素直に面白いと思ったら笑うんですけど、多分、そもそも笑いのツボが普通の人と違うんだと思います。だから、僕が笑っている時、周りの人は笑っていないということがよくあります(笑)。仲の良い友達は、笑いのツボが同じだから仲良くできているんだと思います。
――同じ感覚を持っている友達とは一緒にいて楽しいですよね。
荒木:友達から「荒木に付き合いきれる人しか残ってないね」って、言われます(笑)。本当に仲の良い友達に対しては、信頼関係が出来上がっているので、結構わがままを言うんですけど、みんな優しいから合わせてくれるんです。
もちろん、僕も友達がこうしたいって言ったら合わせますけど、特にみんな希望がない時は、僕の希望に付き合ってもらうことが多いです。友達の車に乗る時は、僕は絶対助手席に乗りますし(笑)。それが当たり前になっています。