2023年6月28日、西川きよしが著書『小さなことからコツコツと 西川きよし自伝』(文藝春秋)の発売と、全国ツアー『西川きよしのプレミアム大感謝祭』発表会見を文藝春秋本社で開いた。

▲初の自伝を発売した西川きよし

初の自伝は「執筆に3年かかった」意欲作

『小さなことからコツコツと 西川きよし自伝』は、芸能生活60周年を記念して自身の半生を振り返った初となる自伝。苦労を重ねた幼少期の話から芸人を志したきっかけ、「横山やすし・西川きよし」の誕生、愛妻・ヘレンさんとの出会い、3期18年にわたり活動した参議院議員時代などについて、周囲への感謝とともに振り返っている。執筆には「3年かかった」というが、無事に発売日を迎えてホッとした表情を見せた。

この会見には、西川の後輩にあたるケンドーコバヤシ、お笑いコンビ・ミキ(昂生、亜生)も出席して場を盛り上げた。西川は「1人でやらなければならないところ、僕が心細いということで、吉本内閣から3人をこちらへ呼んだ」と説明。多数の報道陣が集まり、「この人数の多さは東京やなぁ。大阪でこんなに来るイベントはない」と驚きを見せていた。

▲ミキの亜生は着ているシャツすら「きよし師匠に東京やなあと言われた」と明かした

芸能生活60周年のタイミングでの自伝ということで、ケンコバが「70周年でも出せる人。体調も先日の人間ドックで問題なし」と報告すると、「なんでそんな話まで知ってんの?」と目を丸くした。昂生が「いつまでもご病気もなさらずにスゴい」と言うと、西川は「やっぱり朝昼晩の食事が大事」と健康の秘訣を話した。

自伝には妻・ヘレンさんとの出会いと感謝が込められているが、会見でもその話題に。実際に本を読んだケンドーコバヤシは「ヘレン姉さんを、いつしか『ヘレン』って呼ぶようになっていました、というくだりは今の女子高生も読めますよ」と、時代を超えた愛の表現を絶賛。西川も「ヘレンの話を聞いてから180度、人間が生まれ変わりました。この人を幸せにするのは俺や、西川きよしやと思った」と、妻への愛と感謝を語った。

横山やすしに何度もコンビ結成を誘われ、断り続けたときも「そんなに愛されているなら1回やってみたら?」とヘレンさんに勧められたという。「市役所の隣の公園でね」と感慨深げに付け加えると、ケンコバは「ありますね、あの公園。僕はテレクラの待ち合わせに使っていました」と応え、笑いを誘った。

本の印税について、西川は「全部、寄付をさせていただきたい」と宣言。それを聞いたケンコバは驚きを見せ「えぇ!……ちょっと、僕に回してくださいよ」とねだったが、西川は「回しません」と即座に断り、「鶴の恩返しではありませんが、目玉の恩返しです」と続けた。

質疑応答で、記者から「師匠の魅力」を尋ねられたケンコバは「我々に好き放題に言わせてくれる“隙”が、きよし師匠の魅力です」と言い、「僕はほんまに憧れてて。自分がそれくらいの立場になったとき、後輩からもガンガン言ってもらえるような芸人にならなあかんなと思って、ものすごくお手本にさせてもらっている」と続けた。さらに「研究してみたら、隙を見せているんじゃなくて隙しかなかった(笑)」とオチをつけて笑いに包んだ。

7月2日に77歳の誕生日を迎える西川に誕生日の過ごし方を尋ねると、「いや〜その日、マネージャーが東京での仕事を入れてるんですよ」と本人は肩を落としていた。昂生が「東京のみんなでお祝いしましょう」と提案すると、ケンコバは「たまたま僕、その日東京にいないんです」と締めくくった。

▲大師匠なのにツッコませてくれる“隙”が魅力らしい

7月からスタートする全国ツアー『西川きよしのプレミアム大感謝祭』は、高知公演を皮切りに長野・新潟・宮崎・東京・大阪の全国6か所で開催予定。2022年に引き続き、人気芸人たちによる漫才やコントが行われる。