吉本興業に所属し女優やタレント、YouTuberなどマルチに活動する奈良岡にこ。サウナや美容、お酒に関する動画を主に発信しているYouTubeチャンネル「奈良岡にこ Channel」は、登録者数68万人を超えている。

お笑い芸人を目指すべくNSC(吉本総合芸能学院)へ入学するも、女優の道に進んだ異色の経歴を持ち、銭湯の番台や動物保護活動、クラウドファンディングで募った資金でグラビア写真集の発売をするなど、幅広い活動をしている。そんな彼女に現在の活動について、さらには新たに挑戦したいことなどをニュースクランチのインタビューで語ってもらった。

▲奈良岡にこ【WANI BOOKS-NewsCrunch-Interview】

高校生で「ハイスクールマンザイ」に出場

――どのような幼少期をお過ごしでしたか? 当時の夢など教えてください。

奈良岡にこ(以下、奈良岡) 「男の子に負けたくない」っていう気持ちがずっと強かったからか、幼稚園の頃の写真はだいたい変な顔で写っています(笑)。かわいく撮ろうとしている写真はほぼありません。

お笑い芸人になりたいと思ったのは、中学生になってからなんですけど、1クラスに男子2人くらいいる盛り上げ役の女版でした。かわいいより面白いと思ってもらえることが自分にとっての“楽しい”ことで、その感覚は今も変わっていないです。

――それでNSC(吉本総合芸能学院)に入られたんですね。

奈良岡 高校生のときに、M-1の高校生版「ハイスクールマンザイ」に出たんです。それに出ながら、フリーの芸人が出られる中野の劇場にも出ていました。趣味のひとつとしていろいろやっていたんですけど、高校卒業後の進路について考えたときに「趣味を仕事にすると好きじゃなくなる」という怖さもあって、本当に芸人になりたいかと言われたら微妙ではありました。

お芝居が好きでしたし、アパレルも好きだったので服飾系の専門学校に行くことも考えましたが、一番大変だと思われる芸人になることをまずは片付けようと思ってNSCに入りました。

――当時の好きな芸人さんや、目指していた芸人さんはどなただったのでしょうか。

奈良岡 誰もいませんでした。中高校生の頃は趣味でお笑いをやっていたんですけど、プロとしてやることになったら全員が敵に見えちゃって……(笑)。それでめちゃくちゃ尖っていたので「こんなやつらの何が面白いんだ」って感じでした。

アニメの『マクロス』にかわいい緑髪のキャタクターがいて、“私も髪を緑色にしたら尖ってんじゃん”と思って、高校2年生のときに緑髪にしたこともありました。10年前はそんなにカラフルな髪色をしている人はほとんどいなくて、「自分を知ってほしい」という強い気持ちの表れだったんだと思います。

――個性のある人が集まるNSCに入ってからはどうでしたか。

奈良岡 尖っていたので、最初は誰とも話しませんでした。高卒や大卒、社会人経験を経た人などいろいろな人がいて、最初は「相方探しの会」をやるんですけど、それにも行きませんでした。

でも、金髪で服装も派手だったので、駅に行く途中で同期の女の子に「友達できた?」って話しかけられても、「友達作りに来てねえから」なんて言って撒いてました(笑)。ちなみに、その子はすぐ辞めたので“話さなかった私は正解!?”って思いました。

NSCは成績順にABCのクラス分けがあるんですけど、最初は堂々と大きい声を出していればAクラスに行けたんです。みんな緊張していますし、ネタも作ったことがない人たちがいっぱいいるので。でも、だんだんとみんながうまくなって腕を上げていっていることに気づき、半年経ってから「五反田ヌーディー」という女性コンビを組みました。