偉い先生に「お前はほんとに才能ない、やめろ」
――養成所で出会ったお二人は、どのようなきっかけでコンビを結成したんですか。
コモダ:俺は最初、ギャルの女の子とちょっとチャラいEXILEみたいなヤツと、お試しでトリオを組みました。ぱーてぃーちゃんの走り、みたいな(笑)。でも、お笑いの知識もなかったんで、普通に女の子にも頭を叩いてツッコんだりしてたら、養成所の偉い先生に「お前はほんとに才能ない、やめろ」と言われまして。
きよ:うちもコモと組む前は別の男の子と組んでたんですけど、それはお試しみたいな感じで。そしたら、演劇の授業のときに先生から「なんかココが相性よさそうだから、この台本でやってみて」って無理やり組ませられたんですよ。でも、それがけっこうウケて、じゃあ二人でやってみようか? となりました。
――お互い手応えがあったんですね。
コモダ:あと、当時は事務所的に変わった経歴がある人が好きだったんですよ。だから、きよちゃんの「看護師キャラ」を押し出して、それに俺が横からツッコむみたいなネタをやってたんですけど、そこがけっこう褒められたんです。
きよ:ワタナベの養成所って卒業後、全員が事務所に所属できるわけじゃないんですけど、なんとか事務所には所属できました。
コモダ:だけど、徐々に今みたいに俺が前に出るような漫才に変更していったら、それは求めてねえよっていう顔されて、ネタ見せで作家に「コモダはしゃべんな! お前の思うことは世の中が思うことではないからな!」って言われました。一生忘れないですね。その作家はもう引退したんですけど……一生許さない。
きよ:わかるひとには誰かわかっちゃうから!
コモダ:別にええやろ! もう!
『ゴッドタン』出演のからくりとは?
――ネタ作りはどうしているんですか。
きよ:二人で作ってます。ネタの種みたいな案をお互い持ってきて、“それいいな!”となったら二人で話しながら作っていきます。基本キモいネタなんで、コモダがひとりで考えてるって思われがちなんですけどね…(笑)。
コモダ:ラジオとか聞いていただいたらわかると思うんですけど、きよちゃんも変な人ですからね。俺専用のツッコミなだけで、本来はツッコミの人と違いますから。でも、本当に最初はお互いお笑いなんて何も知らなかったので、スベりまくって……。試行錯誤して完成させていった感じです。
――コモダさんは、お笑いを見ていなかったとおっしゃってましたもんね。
コモダ:もう経験を重ねるしかないと思って。ただ最初に事務所にいた頃は、月1~2本ぐらいしかライブに出れてなかったので、そりゃおもしろくならないよなと。それで事務所を出て、フリーになって、浅草の小さい劇場とかに出るようになりました。そうやってとにかくライブに出て、今のかたちに近づいていてきたんですけど……。
でも、まだ早いですよね、このエピソード(笑)。売れたヤツが語るならまだしも、たいした経歴もないのに、こうやって自分の軌跡を語って、脳汁を出して、気持ちよくなってる芸人が大っ嫌いだったことを今、思い出しました。危ない、危ない。
きよ:もう少し売れないとね(笑)。
――(笑)。ちなみになぜ、再び事務所に入ったんですか?
きよ:フリーだとテレビのオーディションが来づらいんですよ、情報も入ってこないし。
コモダ:だから、フリーの頃は周りの芸人に「とにかくなんでもいいからアンケートには“ポテトカレッジ”って書け」って半ば脅しも込めて言ってました。『ゴッドタン』(テレビ東京系列)の「この若手知ってんのか!?」は、アンケートに書かれた数が多ければ、オーディションに呼ばれると聞いたので。
――その結果は?
コモダ:なんとかオーディションには呼ばれました。反応も良かったんですけど、落とされて(笑)。でも、そのときの恨みつらみを今年、またオーディションに呼ばれたときに話したら受かりました。放送は全然うまいこといかなかったんですけどね(笑)。