ミレニアル世代・スーパーゆとり世代は、一見、表面上は大変素直で穏やかに見えるが、彼らの“本質”とのギャップは大きく、上の世代の彼らへの理解をいっそう難しくさせている。1万人以上の若者と接してきた経験をもとに、マーケティングアナリストの原田曜平氏がミレニアル世代を解説。ミレニアル世代を部下に抱える上司や先輩たちにご一読いただきたい。

※本記事は、原田曜平:著『若者わからん!』(ワニブックス刊)より、一部を抜粋編集したものです。

日本版「ミレニアル世代」は20代

小さい頃から低成長経済下に生き、スマホと接して育ち、消費や人とのつながり方など、様々な価値観が従来の世代とは異なる今の若者のことを、世界では「ミレニアル世代」という。

広い定義であるアメリカの定義でいうと30代前半も含まれるが、日本ではたいてい、大学生近辺を中心とした今の20代くらいを指すケースが多い。この「日本版ミレニアル世代」に、現在手を焼いている企業が急増しており、今後ますます増えていくことになるだろう。

ミレニアル世代の特徴①:まったりしている

では、ミレニアル世代の「特徴」とは何か? また、彼らの表面上の柔らかさの奥にある「本質」とは何か? まず彼らの第一の特徴として、以前の若者より上昇志向が極端に減っていることがあげられる。

若者研究所では海外でも若者研究を行っているが、世界中の若者研究を長らく続けてきてわかったのは「国は貧しくても、高度経済成長している国の若者」は、ハングリーで上昇志向が強く、ガツガツしている傾向にあるということだ。

そして高度経済成長期が終わり、国全体がある程度豊かになり、低成長経済の時代に突入すると、その国の若者たちから上昇志向が薄れ、現状維持志向になっていく。すると全体的にまったりしたタイプの若者が増えていく傾向がある。