2017年からスウェーデンに移住し、2022年5月からYouTubeチャンネル『犬とわたしと北欧暮らし』を開設したなつこさん。現在のチャンネル登録者数は、4.4万人にものぼる。YouTubeを通してスウェーデン暮らしのリアルと癒しを届けるなつこさんに、夫・ヨハンさんとのなれそめ、YouTubeを始めたきっかけ、今後の目標など幅広く語ってもらった。

▲なつこさん&ヨハンさん【WANI BOOKS-“NewsCrunch”-INTERVIEW】

一緒に暮らすうちに似てきた二人!?

佐賀県で生まれ育ち、大学進学とともに上京したなつこさん。東京の暮らしにも慣れてきた大学2年生の冬に、なつこさんは運命的な出会いを果たす。現在の夫・ヨハンさんだ。ヨハンさんは、日本のアニメやメタル音楽が好きで、日本に語学留学で来ていた。共通の友人を通じて知り合った二人は、瞬く間に距離を縮めていったという。

「初めて会ったときから波長は合っていたと思います。接していくうちに“なんて心が優しくておおらかな人なんだろう”って感じて。その後、会う回数を重ねて、お互いがお互いをどんどん好きになっていきました」

二人は付き合って半年ほどで、お互いをお互いの両親に紹介しあった。それぞれの温かい人柄が伝わり、それぞれの両親から太鼓判を押された二人は、着実に絆を深めていき、2016年2月29日に結婚する。

出会いからわずか約1年、とんとん拍子に結婚まで至ったなつこさんだが、国際結婚に対して不安を感じることはほとんどなかったという。しかし、結婚生活にあたり二人で決めたことはあった。

「何があっても、“あなたがスウェーデン人だから”、“あなたが男だから”とカテゴライズをしないと二人で決めたんです。最初は言葉がままならず、ぶつかることもありましたが、何においても自分事として話し合うことで、これまで二人でさまざまなことを乗り越えてきました」

波長や雰囲気が似ていて、視聴者からは「見ていてほのぼのする」「癒される」といったコメントをもらう二人。なつこさんはどう感じているのか。

「8年ほど一緒にいるので、“似てきたな”って自分でも思うんですよね。ヨハンと犬が似てきたっていうのも言われます(笑)。早くに結婚して、二人ともいろんな活動をしてきましたが、今でも変わらず関係は続いています。好きになった人が自分に合った人だったことは、本当にラッキーなことですね」

▲似てきたと言われるなつこさんとヨハンさん

結婚した二人は、なつこさんの大学卒業と同時にスウェーデンに移住し生活を始める。しかし、第一の壁が待ち受けていた。

「新卒で大学を出たばかりなので、すぐに仕事が見つかると思ったのですが、全くそんなことはありませんでした。語学学校に通ったり、スウェーデン政府が移民政策の一環でおこなっている就労支援プログラムに参加したり、仕事探しを1年ほど頑張ったのですが、それでも就職先は見つからなかったです」

スウェーデンの就職活動において、日本のような「新卒採用」という仕組みはない。そればかりか、英語力はアドバンテージにならず、スウェーデン語力を前提とする求人がほとんど。

厳しい就職事情を目の当たりにし、スウェーデン語力を磨くべく、ルペアにあるLTU工科大学院の修士課程に進学するが、このタイミングで大きな悲劇が。なつこさんの父親が、交通事故で亡くなってしまったのだ。

「大学院で頑張ろうというところでしたが、かなり落ち込んで、心がついていきませんでした。勉強を続けるのは難しい状況だったので大学院はやめて、別の分野で頑張ろうと考えました」

なつこさんの母親が、日本で一人で暮らさなければいけなくなった状況も踏まえ、なつこさんとヨハンさんは2020年に日本移住を決める。結婚当初から、最終的には日本で暮らすことを目標にしていた二人。

図らずもその実現が早まったと思われたのだが、新型コロナウイルスが猛威をふるっていた当時、ヨハンさんの日本への入国が叶わない期間が続いた。そんななかで、都内のテレビ局で報道記者として働くことになる。