お笑いトリオのハナコ(菊田竜大、秋山寛貴、岡部大)が10月3日(金)・4日(土)・5日(日)に東京・日経ホールでハナコ第9回単独公演2025『リストランテ』を開催する。

昨年9月開催の単独公演『そのうち』から、1年ぶりとなる単独公演は、会場を東京・日経ホールに移し、雰囲気を一新。

過去最大キャパの会場で行われる単独公演を前に、ハナコの3人に意気込みを聞いた。

▲ハナコ(菊田竜大、秋山寛貴、岡部大)【ワニブックス Newsクランチ!】

ハナコはこんな所がパワーアップした

――第9回単独公演「リストランテ」は秋山さんによると「足を運んでくれた皆様が、コース料理を食べたときのようなちょっと特別な気持ちになれる時間にしたいです」と書かれています。これはどこから着想されたのでしょうか?

秋山寛貴(以下、秋山):毎回、単独のたびにどんな演出にしようか考えているんですが、ネタの順番を並び替えたり、一度並べてみてやっぱりやめたりしているのは、もしかしたら料理人の方がコース料理を考えている時も似たような工程を行うのかな、と感じてこのタイトルにしました。

――今回9回目の単独で、自分は映像化されているものや、配信で見られるものは見てきたと思っているのですが、初期に比べて変わったな、パワーアップしたなと感じるところはありますか?

秋山:ありがとうございます。まず、チームが強くなったなと思います。恒例のスタッフで単独を行っているので、回を重ねるごとにお互いの理解も深まって、細かな所までこちらの提案が再現されていると思います。

岡部大(以下、岡部):やれる事が増えてきたなという印象ですね。前はやりたいと思ってもできなかった事も、相談する余地があるのが嬉しいです。

菊田竜大(以下、菊田):今回劇場が大きくなったというのも変わったところのひとつですね。

――ちなみに、お互いを見て、ここが変わったなと思うところはありますか?

秋山:岡部は最初の頃から演技上手いね、と色々な方から言われていたので、ドラマや映画で活躍している芸人の先輩も多いし、いつかそうなったら良いね、って話をしていたら、こちらの想像以上に仕事をいただいていて、状況的には一番変わってますよね。

岡部:NHKの大河に出るなんて思ってませんでした(笑)。

秋山:菊田は逆にずっと変わらない、ステージや環境が変わっても変わらない人ってめちゃくちゃ珍しいと思ってて、未だに芸歴1年目? みたいなリアクションしますし(笑)。

菊田:そう? 俺から見た秋山は、今は思いついた事がなんでもできてるのが良かったなと思います。頭の中で思い描いたことをネタにしたり絵にしたり、具現化できているのが見ていて楽しそうだなって。初期の頃はノートをコピーしてた秋山が…って感じ。

岡部:それでいうと、秋山は小綺麗になりましたね。

菊田:たしかに!

秋山:綺麗でいいじゃん、小綺麗って。

岡部:ほんと髪を切らなかったから。

菊田:見られる見た目になったよ。

秋山:偉そうだな!(笑) いやでも、今回9回目の単独になるんですが、初期の単独とかを今見返すと、みんな細いし、なんかギラギラしてますね。

岡部:そうかも、変に細くて、目つきも悪い。

秋山:余裕がなかったんだろうね(笑)。それでいうと今はある程度余裕を持ってネタに向き合えている気がします。

岡部が辛すぎて消していた過去の事件

――過去の単独で起こった事件があればお教えください。

秋山:『タロウ5』の冒頭のコントが動物園のコントで、岡部がゴリラを演じるものだったんですけど、開場中、薄暗いステージにゴリラの岡部を丸出しにしてみたんですよ。お客さんがワクワクするんじゃないかと思って。そしたら、客席はなんかザワザワはするけど、特になにもなく、岡部もずっと気まずい感じでステージにいて、そのまま普通に開演してコントに入って。次の公演から即やめました(笑)。

岡部:あった! 辛すぎて言われるまで思い出さなかったよ(笑)。

菊田:本当に嫌だったんだ(笑)。

岡部:秋山はチャレンジ精神が強いので、結構色々やってるんですけど、お客さんに上手く伝わらなくてやめるのも多い。

秋山:前回の単独は『そのうち』というタイトルだったんですが、開演前にフォトスポットになっている展示が、終演後は撤収途中のものに変わっちゃってる、「そのうちなくなっちゃうよ」というメッセージだったんですけど、あとから聞いたら完璧な状態で撮れなかったお客さんが普通にがっかりしていたって聞いて、それはそうか、って。

菊田:試みとしては面白いけどね。僕はこれシンプルミスなんですけど、ツアーの秋田公演で、テンション上がっちゃってて、ピンマイクをつけるのをすっかり忘れてステージに上がっていて。ネタ中、僕の第一声で、前出た瞬間に“あ、やべ、ピンマイク忘れた”って気づいたんです。しっとりした声のお父さん役だったんですけど、2言目から声を抑えながら張る、という難しい事をやってました。

秋山:抑えながら張るってできなくない?(笑)

――(笑)最近では、トム・ブラウンさんがハナコさんの単独ライブのタイトルだった「タロウ」と「はじめての感情」、2つのタイトルを継いでますが、こちらに関してはいかがですか?

※トム・ブラウンは昨年単独ライブシリーズ『タロウ』を引き継ぎ「トム・ブラウン単独ライブ2024『たろう7』」、今年は「はじめての感情」を引き継ぎ「「15年に1度の東名阪ツアー前借り『初めての感情』」を開催している。

菊田:『タロウ』を使う時に、なぜか俺に「使って良い?」って電話がきたんですよ。「いや、俺は別にいいですけど、秋山とかにもちゃんと聞いて下さい」って言いました(笑)。

岡部:怖いのは『タロウ』だけじゃ終わらずに、『はじめての感情』まで合わせに来ている所だよ(笑)。