お笑いトリオ・ハナコの秋山寛貴が、今年の4月に出版したイラスト集『#秋山動物園』(朝日新聞出版)が好評だ。秋山がInstagramで投稿してきたオモシロかわいい動物たちと、出版用に描き下ろされた動物たちのイラストが収められている。「絵がどれもかわいい」「推しはカンガルー!」などなど、老若男女さまざまな層からの感想が寄せられている。思わず笑ってしまうような2コマ目の展開も必見だ。

今回は、ハナコのネタ作成に加え、イラストの才能も見出され、さらに活躍の場を広げる秋山にニュースクランチがインタビューを実施。出版に至った経緯や今後の展望、ハナコとして、芸人としてこれからやっていきたいことを語ってもらった。

▲秋山寛貴(ハナコ)【Crunch-book-intervieW】

イラストを描くきっかけはマネージャーのひと言

――このイラスト集の出版に至った経緯を聞かせてください。

ハナコ・秋山寛貴(以下、秋山) 数年前から不定期でInstagramにイラストを投稿していたんですが、途中からシリーズ化しようと思い、動物を積極的に描き始めたんです。その投稿を見ていただいて、お話をいただいたのが出版のきっかけですね。

――出版の話が来たときはどう思いましたか?

秋山 めちゃくちゃうれしかったです。イラストを描き始めたのは、当時のマネージャーに「絵を描くのが好きならアピールしたほうがいいよ」といわれたのがきっかけなんです。そのときはインスタをまだやってなかったので、すぐにイラスト用のアカウントを作りました。

そこから3~4年間、ちょこちょこ更新を続けてたんです。そのあいだにキングオブコントで優勝もしましたが、そのあともイラストはずっと描いていました。個展をやったり、LINEスタンプを出したりはしていたんですけど、そんななかで出版のオファーをいただいたので、とてもうれしかったです。

――周りの人からはどんな声が届いていますか?

秋山 読んでくれた人はすごく褒めてくれるので、とてもうれしいです。楽屋でも描いたりしていたので、それを見かけて知っている芸人仲間もいて。「前に描いてたやつ入ってるね」みたいな声ももらいました。ありがたいです。

――ファンの方の反応はいかがでしょうか。

秋山 出版するにあたり、サイン会をやらせていただいたんです。そこで直接、ファンの方からの感想を聞けたんですが、「アニメにしたらどうですか」「動かしたらどうですか」という声をいただいて。自分ではまったく考えてなかったんですけど、前後にちょっとしたストーリーがありそうなイラストが多いので、アニメとして動かしやすいものなのかもしれないと気づかされました。そう言われてから、めっちゃ動かしたいなって思ってます。

大好きな猫を描くのはハードルが高かった

――シリーズを動物にしたのは、動物が好きだったからですか?

秋山 僕、猫を飼っていて。猫が好きなんです。でも、イラストは最初なんでも描いていました。動物に特化して描き始めたのは、コロナ禍になってからです。仕事が減って家から出られなくなったときに、“なんか発信しなきゃ”と思って。そのときはインスタにちょこちょこ投稿していたけど、時間もできたし、とりあえず毎日あげてみようと思ったんです。

2020年の5月ごろから動物を連投している期間があるんですけど、そこはマメに毎日投稿していました。最初はたくさん描けるものがいいなと思って、なんとなく動物から始めたんです。そしたら、描いているうちに猫以外の動物もよく見るようになって、好きになって……それがずっと続いた感じですね。“とりあえず何か発信しよう”と思っていた自分の中でのキャンペーンを終えても、ずっとハマって描き続けて、今に至ります。

――キャンペーンって表現が面白いですね。その最中は描いて、すぐ投稿して……という感じだったのでしょうか。

秋山 そうですね。「今日はなんの動物にしようかなぁ」から始まって、その日の分を描いていました。最初はカバとかテナガザルから始まったのかな。で、SNSにあげたときに「おもしろいね」って声をいただいたんです。じゃあもっと増やしてみようと思って、どんどん描きました。

――クスッと笑える動物たちのイラストですが、ネタは日々ためているんですか?

秋山 先に動物を決めてからネタを考えています。先日、出版記念でインスタライブをして、そこでイラストを描いたんですが、視聴者の方が動物をどんどんコメントであげてくれてだいぶ助かりました。ネタがたくさん出てきたので、またやりたいなって思います。

――動物のようにポピュラーなテーマはなじみやすいですね。そういえば、『#秋山動物園』には秋山さんの好きな“猫”がいないような……。

秋山 そうなんですよね、なんかハードル上がっちゃって……。最初は犬も描いてなかったんです。90匹近く動物を描いているのに、猫と犬がいなかったんです。でも、ようやくダルメシアンを描いて。本のために4種類ぐらい新しい動物を描き下ろそうとなったときに、犬は避けて通れないだろうと思いました(笑)。

――『#秋山動物園』の帯は、イラストレーターの中村佑介さんに書いてもらっています。もともと交流があったんですか?

秋山 中村さんが賞レースでハナコのネタを見てくださって、Twitterで名前を出して褒めてくださっていたんです。お礼を伝えたら「頑張ってくださいね」と返してくださって、優しく接していただきました。それで、厚かましいかな……とも思ったんですけど、お願いしてみました。とてもうれしいです。