最近、映画館でジブリ映画が再上映されていて人気ですが、みなさんは印象に残っているシーンはありますか?

私は『魔女の宅急便』で主人公のキキが、大雨の中をずぶ濡れになりながら、おばあちゃんが作ったニシンのパイを運ぶけど、受け取った孫が「このパイ、好きじゃないんだよね」と言うシーンです……。ゲリラ豪雨でずぶ濡れになりながら料理を届けたら、ドアを開けた瞬間にお客さんに「プッ」と笑われたうえ、お客さんからBAD評価を受けた、あの夏の屈辱がフラッシュバックします。

関東地方では梅雨が明けましたが、みなさんいかがお過ごしでしょうか? 本業で稼げない分をウーバーイーツの配達員で穴埋めしているライターのWです。

配達員バッグが牛丼弁当でギュウギュウに

あの夏の悲しい思い出はさておき、今回は配達員が背負っているバッグに関するお話をしようと思います。

ウーバーイーツの配達員をしていると「なんで、あんなに大きなバッグを背負っているの?」という質問をよく受けます。私が主に配達を行なっている東京23区内の依頼の多くは、一人暮らしのお客様からのご注文。確かに1人分の食べ物を運ぶのには、あのバッグはサイズが大きすぎます。以前、家族5・6人分の中華料理を運んだことがありますが、すべての商品を入れても、バッグの半分もいきませんでした。

ところが2年半も配達をしていると、とんでもない量を運ぶことがありまして……。

最初にバッグが埋まったのは、配達を始めたばかりの2018年2月。昼休みで混み合う牛丼屋に行き「ウーバーイーツの配達で参りました」と伝えると、店員さんが持ってきたのは、店のロゴが印刷された特大サイズの袋でした。IKEAの青いバッグと同じぐらいのサイズと言えば、おおよそのサイズが想像できるでしょうか。その袋に牛丼弁当がビッチリ詰め込まれていました。しかも2袋。

▲受け取りを待ちます

私が持っているリュックは、配達員が使用するバッグの中でも一番大きなサイズのものですが、渡された袋ごとリュックの中に商品を入れると収納できません。仕方がないので袋から弁当・味噌汁・お新香を取り出し、リュックの中に隙間なく詰めていくと、なんとか収めることができました。

とはいえ、まだ配達の準備ができただけにすぎません。配達先を確認し、リュックを背負おうとすると、想像を大きく上回る重さです。なんとか背負うものの、バッグのバンドが重みで両肩をギュウギュウと締め上げ、集中を切らすとバランスを崩してヨロッとしそうな状況。

幸い、配達先が近かったので自転車を押しながら配達先まで行き、商品を無事届けることができ、味噌汁もこぼさずに済みましたが、あれが数キロ先の配達先で自転車に乗らなければならなかったと考えるだけで……ゾッとします。