結成16年以上の実力派漫才師の賞レース『THE SECOND~漫才トーナメント~』(フジテレビ系)が熱い! 実力や才能があっても、ブレイクのきっかけが見出せない漫才師たちの“セカンドチャンス”として誕生した本大会。予選では、ノックアウト形式のタイマン対決、審査員はお客さん、アーカイブなしの生配信など……これまでの賞レースとは一線を画すスタイルでお笑いファンを熱狂させている。

更に先日、グランプリファイナル8組が決定し、さらに大会のアンバサダーを松本人志が務める事が発表され、さらに盛り上がりを見せている。

今回、総合演出を務める日置祐貴氏にインタビューを行い、5月20日(土)に放送されるグランプリファイナルを前に、『THE SECOND​​』に関する気になる​​アレコレを聞いてみた。

▲総合演出を務める日置祐貴氏

 

夢の対決が行われていることにワクワクする

――日置さんが新たな賞レースの総合演出を任されることが決まったときのお気持ちを聞かせてください。

日置 賞レースというものが「楽しいコンテンツ」でありながらも「叩かれるコンテンツ」となっている現状に対して、すごく悲しいなと思っていて……。そこに僕も身を投じなきゃいけないのか、というところへのプレッシャーはありましたし、“すごく難しいミッションを与えられたな”と思いました。

――本大会の開催が決まったあと、芸人さんたちの反応はいかがでしたか?

日置 出場する芸人さんたちと接すると、情がうつってしまうので、あまり喋らないようにしていて……。発表前に、15年目以下の芸人さんと話したんですけど、反応は千差万別でした。「すごく楽しみです」という声もありつつ、“自分がいつかそこにいくかもしれない”という意味での「やらないでください!」という人もいて。

でも、話していくうちに「“僕がお世話になった、あの先輩が評価されるときがくるかもしれない”と思ったら、 すごくうれしい」と言ってくれました。始まったあとは「夢の対決が行われていることにワクワクする」「あの先輩が“本気で6分漫才をやっているんだ”ということに、すごく感動した」と言っていただけましたね。

――1対1で対戦する「ノックアウト形式」が取られていますが、予選を通して、手応えはいかがですか?

日置 その場で「誰に負けた」が明確になるので、“すごく残酷なことをしてしまっているな”とは思いつつ、やってみて、見ている人にはわかりやすいなと思いました。 さらに、思っていた以上に、先輩・後輩・同期・憧れ・弟子など、戦った漫才師同士のドラマがすごく出ていて、ほかの賞レースとは、まったく違うものになったと感じました。

――涙を流した芸人さんもいらっしゃいましたもんね。大会をつくるうえで特にこだわったポイントは?

日置 全スタッフに言ったのは「芸人ファースト」の大会にしようということですね。もちろん「視聴者ファースト」でなければいけないんだけど、まずは、芸人さんの「気持ち」を一番に考えたいし、“ベテランさんたちに大会に出ていただける”ということを大事に考えなきゃいけない。勝っても負けても「出てよかったな」「フジテレビありがとう」と言ってもらうものにしなきゃダメだなと思いました。

――すごく芸人さんファーストなのが伝わってきます。いろいろお聞きしたいことはあるんですが、ネタ時間を6分に設定した理由を教えてください。

日置 劇場に行くと、16年目以上の漫才師さんが5分ネタをやる機会ってあまりなくて、基本10分とか15分なんですよ。それを4分にするって、めちゃめちゃ難しい。極力、皆さんが劇場でやってるネタの尺にしたいとは思ったんですが、ただ10分にすると放送に入らないので、4分の1.5倍で、6分に落ち着きました。

ライトなお笑いファンの方や、あまりお笑いを見ない人にとっては「長いな」と感じるかもしれませんが、お笑い好きな人たちにとっては、いい尺だと思うし「6分だとこんなに遊びが入ってくるんだ」とか、それぞれの色が出てくるので、そういう意味では、6分にしてよかったなと思っています。

▲全スタッフに「芸人ファースト」を伝えました