クリスマスに渡されたのはチキン50本!

▲聖夜に届ける大量のチキン イメージ:PIXTA

バッグが再び埋まる日は2019年末、クリスマスの聖夜に訪れました。配達員用のアプリに指示された鳥料理の店に行き自動ドアを開けると、視界に飛び込んできたのはカウンターにうず高く積まれたローストチキンの山!

カウンターの奥にいる店員さんの姿が見えないほどのチキンの山を見て「運べるのか?」と不安になりましたが、カウンターの中から出てきた店員さんが「こちらをお願いします」と指示したのは、その山の隣にある小さな山。

ホッとしたものの、渡されたのはチキン50本。牛丼屋の時ほどではありませんでしたがなかなかの量で、バッグはほぼ満杯。ローストチキンが大量に入ったリュックの中は圧巻の光景で、漂う油の香りで胃もたれしそうになったのは言うまでもありません。

ちなみに、大きいほうのチキンの山を運んだのは、同業である出前館の配達員さん。店の前にスマホを操作している男性に声をかけると「1人で150本は運べないから、応援を呼んでいるんです」と大焦り。150本もローストチキンが必要なクリスマスパーティー会場って、一体どこなのでしょう?

さらに今年2月の大量配達も肝を冷やしました。

オフィス街の中にある某有名カフェチェーンへ商品を受け取りに行くと「ちょっと量が多いので気をつけてくださいね」と、例のソバージュの人物が描かれた大きな紙袋5袋が渡されました。

量や重さは、牛丼やチキンと比べると大したものではないのですが、5袋のうち3袋が温かい飲み物で、1袋が冷たい飲み物、残りの1袋が上にクリームがのっている飲料と無駄にバラエティー豊か。暖かいものと冷たいものを分けて入れなければいけませんし、クリーム系はカップの上の部分にドーム状のキャップがかぶされていて、上に大きな穴が開いています。

袋ごとリュックに入れることはできませんし、リュックの中にある間仕切りを利用して下段に冷たいもの、上段に温かいものを配置すると、クリームがのったやつと普通のドリンクのカップの高さが異なり不安定となってしまう。

かと言って、暖かいものを下段に配置すると、熱で冷たいものがぬるくなってしまいます。

▲大量を発注するときは限度を設定してほしい イメージ:PIXTA

あれやこれや考えた結果、季節は真冬。気温は10℃以下と寒い日だったので、暖かいものだけリュックに入れ、冷たいものは紙袋のまま自転車の前カゴに入れて配達することにしました。

リュックの中、そして前カゴに入れた商品がこぼれないか、特に段差を通るときに神経を使いつつ慎重な運転を心がける私。なんとか目的地にたどり着き、ビルの1階からエレベーターで配達するフロアへ。で、お客様に受け渡そうと受付で担当者に連絡しようとすると「こっちこっち」と呼ぶ声が。その声の主は、1階からエレベーターに一緒に乗っていた方でした。 

商品を渡すと「なんでリュックに入れないで持ってくるの? ぬるくなりますよね?」とおっしゃられたお客様。先ほどの私の苦悩など知る由もないのでしょう。ただ、考えなしに配達しているわけではないことは、この場を借りて理解してもらいたいと思います。

もちろん、配達後にもらった評価はBADだったことは言うまでもありません……。

▲配達後にもらった評価はBAD イメージ:PIXTA

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は次回8/21(金)更新予定です、お楽しみに。