“一回戦終了後”のカップルに届けた焼き肉弁当

▲労働意欲がそがれる梅雨が到来しました イメージ:PIXTA

配達員にとって、地獄の季節がやってきましたね。ジメジメとした梅雨の季節は憂鬱です。雨の日の運転は集中力が必要ですので、精神的にも疲れますし、スピードを出せないから配達数も稼げません。無理をして、マンホールにタイヤを取られて転んでケガなんてした日には、治療費すら稼ぐこともできないかもしれません。

一方、梅雨が明けると気温がグングン上がり、30℃を超える真夏日、35℃を超える猛暑日となる日が増えますので、熱中症を避けるためにも太陽が出ている時間帯の配達は注意が必要です。というか、クーラーのきいた部屋でグターっとだれてしまいます。自然と収入が激減しますが、かといって無理して働くと命が危ない。いやぁ、我々にとっては試練の季節です。

……申し遅れました。私、ウーバーイーツの配達員をしながらライターもやっているWです。毎回、導入部でグチが長くて恐縮です。 今回は私が経験した、変わったスポットへの配達について書いていこうと思います。

お昼の時間帯はオフィスへ、夕方以降の時間帯はお客様のお宅や、宿泊先のホテルに届けるというのが一般的なパターンのウーバーイーツ配達。ですが2年半も配達していると、こちらが予想しないような場所への配達指示をもらうことがありまして……。

▲一人でラブホテルの敷地内に入る不自然 イメージ:PIXTA

配達員を始めたばかりの2017年の注文で驚いたのは、都内某ラブホテルへの配達です。

当時のウーバーイーツは、知る人ぞ知るといった存在で、配達員も渋谷や六本木以外のエリアでは、ほとんど見ることがありませんでした。 現在のようにサービス提供時間も決まっておらず、深夜3時とか早朝5時に配達の依頼が来ることもしばしば。辺りもまだ真っ暗の午前4時に依頼を受け、深夜営業の焼肉店で弁当を受け取り、配達開始のボタンを押すと、指示された場所はホテル外のど真ん中だったのです。ご丁寧にホテルの名前と部屋番号まで記されています。  

えっちらおっちらと自転車を漕ぎホテル街に突入した私は、駐車場の入り口にあるワカメのようなのれんをくぐり、駐車場に自転車を止めてホテルの中へ。ちょっとした背徳感を味わいながら指定された部屋へ行こうとしたところ……さすがにフロントで止められてしまいました。宿泊されているお二人のお顔が見れず、残念です! まぁ、部屋まで行ったところで、扉のところには男性の方しか出てこないんでしょうけど、ちょっとしたドギマギを経験した配達ではありました。