アップルの時代から黄色い絵文字が携帯電話・スマホに登場
一体いつごろから絵文字が黄色くなったのか? Emojipediaでは、ソフトバンクの絵文字がアップルに受け継がれるまでのデザインの変化が分かる画像が掲載されています。
最初の4つの絵文字は、ソフトバンクの初期文字セットから2008年までのデザインが通時的に並べてあります。最後の2つの絵文字は、2008年にソフトバンクの絵文字セットがアップルに受け継がれた後のデザインと2018年版のアップルの絵文字デザインです。
ソフトバンクのデザインを通時的に見てみると、白黒たまねぎ型から丸い形に変わっていきますが、色は赤ピンクに、その次は薄茶色になっていますね。これは鼻さえ描き足せばアンパンマンになりそうではないですか? そう見えるのは私だけかな(笑)。
まあ、それはともかくとして、携帯電話・スマートフォンに搭載されている絵文字が黄色くなるのはアップル段階以降のようです。
スマイリーフェイスは1960年代に出回っていた?
また、携帯・スマートフォン以前にも、パソコンで使用できるMSNメッセンジャーやイスラエル発のメッセンジャーICQなどがあって、そちらは遅くとも2003年から絵文字が使えました。例えば、MSNの絵文字を見てみますと、動くものもあって、今の絵文字と少し雰囲気が違いますが、黄色くて丸いデザインになっています。
〇MSNの絵文字リスト
こうして考えると、黄色い顔の絵文字のデザインはどうも西洋生まれのようです。実際に、デジタル時代以前まで遡ると、黄色いスマイリーフェイスのデザインが1960年代に既に世の中に出回っていたという事実があります。
後に絵文字のデザインに繋がったスマイリーフェイスのデザインは、1963年に米国の商業デザイナー、ハーベイ・ボール(Harvey Ball)によって創作されたとされています。保険会社の社内用のポスターやバッジに使うためのデザインの依頼でした。
それを出発点として、黄色いスマイリーフェイスのデザインが大人気になって、バッジをはじめ、Tシャツ、マグカップ、文房具などのグッズに広まっていきました。
1970年代にはスマイリーフェイスのデザインが日本にも伝わって、サンスター文具を始めとして、日本の文具メーカーによって広まって、ニコニコマーク、ニコちゃんマークとして親しまれました。1971年11月21日の読売新聞では、スマイルマークデザインの大人気の様子が読み取れる次の記事が載っていました。
「だれにもうけるシンプルなデザイン。小さな目に大きな口......太陽がニッコリ笑ったようなまるいバッジが、今爆発的な人気を呼んでいる。ラブ・ピース・バッジ。別名 “スマイル・バッジ”。中学、高校の女の子が中心だが、ペンダント、指輪、イヤリング、ワッペン、ブローチと、ヤングのあらゆるアクセサリーに登場、ついに箸入れ、ハンカチ、ノート、日記帳、単語カードにいたるまで、恐るべき浸透ぶりだ。」
ここまで駆け足でしたが、スマイリーフェイスの進化の歴史を探ってきました。次回、その独特な「色」と「デザイン」面を掘り下げていきたいと思います。なぜ黄色で、そしてあんな形になったのでしょう。