『シャボン』→『わたカタ』で見せた成長

そこから20年の時を経て、今回のトークイベント。発売されたばかりの高津先生の新作『渡り鳥とカタツムリ』を読んで、室井先生は「絵が上手い」と手放しで称賛した。

▲渡り鳥とカタツムリ1巻

室井先生が「(車中泊は)自分の巣を作る作業。そこがよく描けている」「ワクワクしたページは、車内を上から広角で描いているところ」と推しポイントを紹介すれば、スズキ氏も「『シャボンと猫売り』の頃と比べて、かなり絵が見やすくなった」前作からの成長を指摘。

高津先生自身も今作には手応えを感じているようだ。「『渡り鳥とカタツムリ』は描いていて楽しい。描きながら成長を感じています。正直『シャボン』のときは行き詰まりを感じていた。今はそこから作り直している感じです」と語った。

去年の10月から連載開始となった『渡り鳥とカタツムリ』だが、その経緯も明かされた。

「尾瀬とか、あの辺をレンタカーでプラプラしていたんです。その時は車中泊を楽しむというより、装備を用意していないので失敗が多かったんですが」。そんな折に、編集者から“車中泊”というテーマをもらって「渡りに舟」で描き始めたという。

制作過程でのエピソードとして「原稿に行き詰まった時に、レンタカーを借りて伊勢まで1泊2日で車中泊をしに行きました。レンタカー屋には『千葉へ行く』と嘘をついて(笑)」と高津先生の仰天告白も飛び出した。

最後に、視聴者からの質問に答えてイベントは終了した。イベントはアーカイブもされているのでぜひチェックしてみてほしい。


〇トークイベントアーカイブ(YouTube)