2月8日に発表されたとおり、アメフラっシのZepp Hanedaでの単独ライブは2月28日(日)から3月21日(日)へと延期された。

このご時世なので、スケジュールの変更は致しかたないところだが、むしろ1か月以内という短いスパンで新しい日程が提示できたのはラッキーだと思う。しかも、会場は変わらずZepp Haneda。メンバーとファンの合言葉であった「ホップステップZepp!」を語る期間が3週間も増えた、とプラスに捉えたい。

先週からスタートした11月と12月のライブレポートは、実を言うと1月の早い段階ですべて書き終えている。ライブからあまり時間が経過してしまうと熱量を伝えにくいな、と思ったのがひとつの理由だが、もうひとつは執筆を2月まで持ち越し、その間にコロナの影響などを受けてZepp Hanedaでの単独ライブが延期や中止になってしまったら、どこか原稿にその影を落としてしまうだろうな、と判断したからである。

というわけで、1月のうちに「真空パック」しておいたライブレポートを、そのまま掲載していきたいと思う。3月21日へとつながっていく物語をぜひ、読んでいただきたい。

「少しでも前進しなくてはいけない」という強い意志

▲「第1部」という自らがつくった高いハードルを超えることはできるのか?

これまでの2年間をギュッと濃縮した第1部。つまり、アメフラっシの持ち歌をすべて披露してしまったわけで、第2部で歌う曲もほとんど被ってしまうことになる。それを考えると「昼夜で構成をガラッと変える」というのはなかなかのチャレンジだ。

どれだけ違いを見せることができるのか? 第1部があまりにも濃密かつ充実した内容だったので、ハードルはものすごく高くなっていた。

だが、スタッフチームは「同じ楽曲でも、まったく違う見せ方をしますから」と第2部が始まる前に教えてくれた。今になって思えば、ここからZepp Hanedaに向けてのチャレンジは始まっていたのだが、まだこの時点では、メンバーはZepp進出を聞かされていない(ちなみに第2部のサブタイトルは『Over the Future』。すでに未来は照らされていたのだ)。

あくまでも、2020年のファイナルステージをきっちり完走することだけを考えていた(さらに年末に『アメフラっシ大感謝祭2020』が開催されることすら知らされていなかった)。

つまり、このライブはスタッフからしたら「Zeppへの序章」であり、メンバーにとっては「2020年の集大成」だったことになる。2年間の集大成(というか、4人体制になってからの1年間の集大成、と言ったほうが正しいのかもしれない)は、第1部で見せたばかりだ。

そうなると、第2部は2020年の集大成にして、3年目に突入した第一歩として、新しい側面を見せていくべき。そういえば、第1部が終わったあと、メンバーは「3年目」という言葉を繰り返し口にしていた。

次への、一歩。6月からライブが再開され、どんどん彼女たちの評価は高まっていくことになるのだが、その裏でメンバーは大きなプレッシャーと闘ってきた。

「前回よりもいいライブをやらなくちゃいけない。いや、これからずっとやり続けていかなくてはいけない……」

ライブができなかった時期を考えたら、なんとも贅沢な悩みであるが、足踏みを続けてしまうことが多かった過去を振り返ると「ほんの少しでも前進しなくてはいけない」という気持ちはより強くなる。

そんな気持ちが、第2部のステージに大きく反映されていた。曲間に雨音のSEが流れると、メンバーはおのおの傘を取りにいく。その取りにいくアクションも、ステージ上で傘の花が開く動きも、そのまま曲へと移行する間も、すべてエンターテインメントとして、ちゃんと成立していた。

▲指先からつま先まで…傘を手にする動きで会場中の目を引き付けたことは驚きだった