いよいよ目前に迫ってきた2.28のZepp Haneda『Wings and Winds』。ただその大舞台を前に、復習しておかなければいけないライブがある。それが2周年記念ライブ『ON AIR』と、年末の『アメフラっシ大感謝祭2020』である。なぜなら、すでに2つのライブはZepp Hanedaを見据えていたから。あらためて舞台裏も含めて振り返ってみよう。

「気持ちが緩んでいるのではないか」という厳しい指摘

▲2部構成でまったく違うライブを見せる――そこには明確な意図があった

いよいよZepp Hanedaでの単独ライブまで、あと1か月を切った。その前に、この連載でやっておかなくてはいけないことがある。それは2020年11月15日にTSUTAYA O-WESTで開催された2周年記念ライブ『ON AIR』、そして12月29日に恵比寿ザ・ガーデンルームで行なわれた『アメフラっシ大感謝祭2020』のライブレポートだ。

この2つのライブは「なぜ今、アメフラっシはZepp Hanedaを目指すのか?」に対する明確な回答でもあり、ここから「すでにZepp Haneda公演は始まっている」といっても過言ではないぐらい大きな意味も持っている。まだ「伝説」というには早すぎるが、のちのち彼女たちがブレイクしたときには、間違いなく「伝説のライブ」として語り草になるはずだ。

というわけで、Zepp Hanedaに向けてのカウントダウン企画として、2月は4週間に渡って、この2つの「のちに伝説と呼ばれるかもしれないライブ」について振り返っていきたいと思う。

8月15日の日テレらんらんホールにおけるライブ以降、アメフラっシの単独ライブは行なわれていなかったが、もちろん「11月に2周年記念ライブを開催したい」という動きは早い時期からあった。アメフラっシにとって2度目の「誕生日」。ここはやっぱりファンのみなさんと一緒にお祝いしたい。

だが、ここまでコツコツと経験を積み上げてきたことを考えると、ただただお祝いするだけのイベントでは意味がない。また新型コロナウイルス感染防止のため、会場に入ることができるお客さんの数もグッと少なくなってしまう。2020年の躍進により、アメフラっシにとって都内のライブハウスは、そろそろ手狭になりつつあった。

そこで、この日は2部構成での開催となったのだが、同じセットリストを2度、繰り返すのではなく「まったく違うものを見せる」というハードルをメンバーに課した。

準備期間こそあったが、いっぺんに2つのライブをこなすためには、レッスンもリハーサルも2倍の時間がかかる。そのあいだにもフェスやイベントなどでステージに立つ機会があったのだが、そこでのパフォーマンスを見たスタッフから「本当にこのままでいいのか?」という厳しい指摘がメンバーに向けられた、という。

どこかで気持ちが緩んでいるのではないか?

順調に前進しているときにはありがちなことではあるが、毎週のようにライブができたコロナ以前の環境下であれば、そのあたりは随時、修正していくことができた。だが、ライブが頻繁に開催できない現状では、一度の失敗が大きなダメージになりかねない。それをスタッフもわかっているから、あえてキツく指摘し、いつもよりも厳しい姿勢で日々のレッスンに臨んでいた、という。

こうしてアメフラっシは、2周年記念ライブを前に研ぎ澄まされていった。

▲本番さながらのリハーサルはいつもの光景ではあるが、いつも圧倒されてしまう