書店やネットで目にする「速読」というキーワード。「本当に高速で本が読めるようになるの」と思う人もいるでしょうか。正解は……なれます! 子どもも大人も、読書が苦手な人も、高速で本が読めるようになれるのです。速読コーチとして活動している角田和将氏によれば、時間内に問題を解く練習をすることで速読のコツをつかむことができると言います。

本記事は、角田和将:​著『5分見るだけでどんな人でも高速で本が読めるようになるドリル』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

速読トレーニングをしてみよう!

本を読むときは、次の点に気をつけると、読むスピードが上がります。それは、なるべく文字をたくさん見ること。文字を一つずつ見ると読むスピードは上がりませんが、一度に見る文字量が増えれば、速度は上がります。

そしてトレーニングする際には、解く時間を決めること。時間を決めずに解くと、速く見る練習になりません。時間を決めて解くほうが、脳にエンジンがかかりやすくなって、集中力もアップします。

では、さっそく次の問題にチャレンジしてみましょう。

このあとの物語文のなかで、動物たちが相撲をとっています。どの動物と、どの動物が相撲をとっているでしょうか? このあとの物語文を読んで答えましょう。そして読むのにどれくらいかかるか時間を計ってみてください。目標時間は3分です!

金太郎 (楠山正雄『日本の神話と十大昔話』講談社改変)

むかし、ある山奥に、金太郎というとても強い子どもがいました。七つか八つのころには、石うすをらくらくと持ち上げてしまうくらいでした。

大人を相手に相撲を取っても、たいてい負けません。近所に相手がいなくなるとつまらなくなって、金太郎は一日森の中をかけまわりました。そして大きなまさかりで大きな木を切りたおしては、きこりのまねをして楽しんでいました。

ある日、森のずっと奥に入っていくと、のっそり大きなクマが出てきました。すると金太郎は、クマを地べたにドスンと投げつけました。

「なんだ、クマのくせに。金太郎を知らないか」

クマはあやまって金太郎の家来になりました。

森の中で大将のクマが金太郎の家来になったのを見て、その後からウサギやサル、シカが、ぞろぞろついてきました。

「金太郎さん、どうぞ家来にしてください」

金太郎はそれから毎朝、おむすびをたくさん持って森へ出かけました。口笛を吹くと、クマやシカ、サルやウサギがのそのそ出てきました。金太郎はこの家来たちを連れて、山の中を歩きまわりました。

ある日、やわらかな草の生えているところで「さあみんな、すもうを取れ。ごほうびにはこのおむすびをやるぞ」と金太郎が言いました。

はじめにサルとウサギが取り組んで、シカが行司になりました。ウサギがサルのしっぽをつかまえて土俵の外へ引っぱり出そうとすると、サルがウサギの長い耳をつかみ、ウサギは痛たがって手を放なしました。勝負がつかなくなって、どちらもごほうびがもらえませんでした。

今度はウサギが行司になって、シカとクマが取り組みましたが、シカは角ごとクマにひっくり返されてしまいました。金太郎は「おもしろい、おもしろい」と言って手をたたきました。

最後に金太郎が土俵のまん中に立って「みんないっぺんにかかってこい」と手を広げました。

みんなで金太郎をたおそうとしましたが、どうしてもたおせません。ウサギもサルもシカもクマも、土俵の外に出されてしまいました。

「さあ、みんなにおむすびを分けてやろう」と金太郎が言って、おむすびをみんなで食べました。

帰り道、大きな谷川のふちへ出ました。水はえらい勢いきおいで流れていますが、橋はありません。みんなは「どうしましょう。あとへ引き返しましょうか」と言いました。

金太郎は一人へいきな顔をして「なあにいいよ」と言い、まさかりをほうり出して、近くに立っていた大きな杉の木に両手をかけました。そして二、三度ぐんぐん押して、木をたおしました。すると川の上に、りっぱな橋ができました。

金太郎はまさかりを肩にかついで、先に渡っていきました。みんなは顔を見合わせて「えらい力だなあ」とささやき合いながらついていきました。

おしまい