トップバッター・小島はなの“男装”&“女子高生”は、おかげさまで大反響! ファンの皆さんの期待は高まるばかりですが、そんなプレッシャーを受ける形で登場した市川優月が選んだコンセプトはなんと“彼T”! なるほど可愛く撮りたいのね……という担当編集の単純な発想をよそに、市川優月はこの撮影に秘めたる想いを抱いていたのです。

「少しでも『近さ』を感じてもらえたら」という想い

▲可愛さと大人の表情をギュッと詰め込んだ奇跡の1枚!

前回のラストで「他のメンバーと被らないように……」と、全体のバランスを考えたうえでのシチュエーションを提案してきたエピソードを紹介したが、そんな提案をしてくれたのが今回、登場する市川優月だった。

「かなり考えました。いつもそうなんですよ。昨年から私たちも個人で生誕グッズを出せることになって、そのトップバッターが私。一番手で前例がないから『えっ、どこまで好きにやっていいの?』って困っちゃって(苦笑)。値段はいくらぐらいまでいいんだろう、とか。今回もやりたいことを自由にって言われましたけど、どこまで自由にやっていいのかな、みたいな。

ただ、私、そんなに欲はないんですよ。たとえば『どこでも好きなところにロケに行っていいよ』と言われても、海外に行きたいとはならない。やっぱり日本が好きだし、ランキングをつけるとしたら3位が北海道で、2位が名古屋。そして1位が福岡! 基本的においしいものが食べられるところと、映えスポットがたくさんある場所ですよね。

おいしいものを食べるには、私よりもよく食べる人と行きたいので、そうなるともうパートナーは小島はなしかいない、アハハハ! それを言うと、どうもはなちゃんは不服みたいなんですけど……でもね、よくよく考えたら、どの街にもZeppがあるんですよ。だったら、もっとがんばって、いつかZeppツアーで行きたい街ベスト3を回りたいなって

夢と現実が複雑に頭の中で絡み合う。一度、Zepp Hanedaのステージに立ったことで、Zeppツアーへの夢がイッキに広がった。だが、コロナ禍ではすぐに実現、というわけにもいかない。そんな逡巡の末に行きついたシチュエーションがコレだった。彼女からのリクエストシートには「部屋で撮りたい」「ダボT」と書かれていた

「わかりやすくダボTって書きましたけど、要は『彼T』ですよ。私があなたの部屋に行って『彼T』を着ていますよ、と。完全に男性ファンの方の目線で考えました。やっぱり、今、なかなかライブとかイベントができないような状況で、ファンの皆さんともなかなか会えないじゃないですか? 特に地方の人には、より寂しい思いをさせちゃっているなと思っていたので、今回の企画で少しでも『近さ』を感じてもらえたらなって

▲周りへの気配りを欠かさない彼女だからこそ、このシチュエーションを選んだのだ

じつは、このタイミングで今回の企画をスタートさせた理由もそこにある。大きなライブが開催しにくいこの時期だからこそ、写真を通じて、ファンの皆さんにメンバーの魅力に触れていただきたい。さらにいえば自己プロデュースすることで、今までとはちょっと違った一面がアピールできれば、ファン以外の人たちに「見つかる」可能性だってある(まさに前回登場の小島はながそうだった!)。

これはメンバーには伝えていなかった「裏テーマ」だったが、市川優月は非常に近い感覚でシチュエーションを練っていた。ファン目線をしっかりと理解できているのはアイドルとして大きな武器である

▲『彼T』衣装に目がいきがちだが、市川優月のファンへの想いにはウルっとくる