パチンコ・パチスロ業界を盛り上げようという集団「1GAME(ワンゲーム)」の代表、てつ氏。パチンコ、パチスロが好きなダメ人間を自称する彼が、今ではYouTube関連の仕事だけで、組織として年間1億円以上を売り上げている。そんな彼が語るのは、人間はやるか、やらないか――それだけ。好きなことをやって生きていきたい人に教えたい、必ず値上がりする資産とお金に囚われない考え方。
※本記事は、てつ:著『福の神の作り方 -パチスロ馬鹿が教えるお金不要の投資と貯蓄-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。
1日中ボーッとするのは資産の浪費
年を取ると「1年が過ぎるのが速い」とよく言われます。僕も「このあいだまで夏だったのに、もう冬か~」なんて感じますので、もしかしたらその域にちょっと近づきつつあるのかもしれません。まあ同じ1年でも、10歳の子どもにとっては「人生の10分の1」というものすごい長さですが、40歳のオッサンにしてみれば「人生の40分の1」ですから、それは速くも感じるでしょう。
また、人間である以上、いつかは死んでしまいます。個々人によって寿命は違いますが、いつまでもダラ~ッと生きていられるわけではないということを自覚しなくてはいけません。年を重ねるとそのことは切実に感じられます。織田信長は49歳で、坂本龍馬は33歳で、三沢光晴は46歳で亡くなっています。
実は「時間の価値」というのは、経過とともに変化していきます。いつ死ぬのかはわかりませんが、人生の終わりに向かって一歩一歩、毎日確実に近づいているわけですから、時間の価値というのは絶対に値上がりしていく性質の資産です。
時間の価値は、若い頃は凄まじく低いものです。僕の学生時代を思い返してみれば「売れるなら売ってもいい」と思っていたくらい、時間が余りまくっていました。学業や部活、バイトなどで忙しい学生さんもいるでしょうが、若い頃は時間を浪費しがちです。
しかし、社会人になると時間の貴重さ、ありがたさに気がつくようになるのではないでしょうか。時間を売るどころか「1時間でも時間を買いたい! そうすればもう少し眠れるのに……」と思う人がいっぱいいるはずです。
人生の残り時間からの逆算はできませんが、人生は一度きり、本人が体感する時間の価値は上がっていく一方です。特に40~60代になると、その人の価値に比例して、時間の価値もどんどん重くなっていきます。孫正義さんの1時間と僕の1時間は価値が違います。
何もしなくても、人生は有限ですから必ず時間は値上がりしていきます。そう考えると、1日中ボーッと過ごしているなんて、もったいなくてできません。それこそ時間の浪費です。時間は、日ごとに価値がどんどん上がっていくものだと肝に銘じておいてください。
お金はそこまで重要な資産ではない
「経験や知識、時間? そんなものよりカネをくれ!」
そう思った方も多いかもしれませんね。でも、正直に言うと、お金というものは、あろうがなかろうが人生は大きく変わりありません。いやいや、ウソではありませんよ。だって、なくなったとしても、経験や知識などの資産があれば、また手に入れることができるのですから。それらはお金と違って、使ってしまえばなくなるというものではありません。
もちろん、お金があれば助かるものです。困ったときに使えるし、何かやりたいことにも使えますよね。ただ、お金はいろんな要因で価値が変動するものだし、お金そのものに強烈な価値というのは存在しません。
例えば、日本円をたくさん持っていたとしても、円の価値がずっと一定しているかといわれれば、そうではありません。日本という国家が破たんすれば、円という通貨は紙くずになってしまいます。また、同じ金額であっても、給料日前と給料日後、若い頃と死ぬ間際では、その価値は全然違うはずです。
いろんな意味でお金の価値は大きく変動するので、僕の正直な意見としては、あまりお金は意識しなくていいですし、皆さんがイメージしているよりも重要性が低いと思います。
どうしてこんなことが言えるのかというと、僕は20代のときにお金の価値を見誤って失敗したからです。僕の20代は、ただただお金を稼ぐことしか考えていなくて、自分が全然やりたくないことを鼻血が出るまで気合でやりました。
その結果、十分なお金を得ることができましたが、それと引き換えにちょっと精神を病んでしまい、仕事も全部辞めて1年半ぐらいリタイアしてしまったのです。稼いだお金で何をしたかといったら、高価なものを買ったり、おいしいものを食べたり、少しの移動でもタクシーに乗ったりしていたぐらいで、それに本当に価値があったかというと、ぶっ倒れるほどの価値はなかったと言えます。
お金がいっぱいあれば、いろいろできるだろう、幸せになるだろう、と思っていましたが、全然そんなことはなくて、お金そのものが価値の本質ではないのだと思い至りました。お金というのは、やることをやっていれば、あとから勝手に付いてくるもの。本当です。