パチンコ・パチスロ業界を盛り上げようという集団「1GAME(ワンゲーム)」の代表、てつ氏。人間というのは、ほんのちょっと考え方を変えるだけで、いろいろなことができるようになる、というのが彼の持論。なんとなくお金持ちになりたい、という人に知っておいて欲しい「本当の資産」について聞いてみました。

※本記事は、てつ:著『福の神の作り方 -パチスロ馬鹿が教えるお金不要の投資と貯蓄-』(ワニブックス:刊)より一部を抜粋編集したものです。

目に見えるものばかりが資産ではない

一般的に「資産」というと、お金や立派なお屋敷をイメージします。先祖代々、あるいは両親の世代から受け継いだ財産もあれば、一代で築き上げた財産もあるでしょう。こうした目に見える資産を持っているという人は、ほんの一握りです。

では、ごく普通の家庭に生まれ育った人間は、なんの資産も持っていないのでしょうか。答えはNOです。資産は、そうした目に見えるモノばかりではありません。実はあなたそのもの、つまり「人」が将来的に利益を生むかもしれない資産なのです。

▲目に見えるものばかりが資産ではない イメージ:PIXTA

考えてみれば、仕事でもバイトでも、労働の対価として金銭を生み出していけるのですから、あなた自身が立派な資産だといえます。しかし、その対価は人によって大きく違います。学生さんの時給と、ソフトバンクの孫正義さんの時給が同じなわけがありませんよね。

では、時給が違うのはなぜなのか? それは、その人が持っている「価値」が違うからです。プロ野球選手を例に取るとわかりやすいでしょう。年俸として2~3億円もらっているスタープレーヤーがいる横に、年に1,000万円ももらえない選手たちがゴロゴロいます。

▲プロ野球選手の価値はどこで判断される? イメージ:PIXTA

年齢も勤続年数も関係ありません。そこにあるのは、チームにとって一番重要な価値である「勝利」に、それぞれの選手がどれだけ貢献できるかだけです。年間に20勝を挙げられる力、3割5分を打てる力、ホームランを40本打てる力……そうした、チームの勝利の可能性を高める能力によって選手の「価値」が評価されて、それが年俸という数字に反映されます。

人間の持っている資産の中で、一番に重要なものが、その人の「価値」であると僕は思っています。では、それぞれの人の価値とはなんでしょうか?

代え(替え)の利かない存在になることが重要

例えば、僕がある日突然、なんらかの理由で自分の全財産――金融・実物資産を失ったとします。たまたま僕の家に隕石が落ちたとしましょう。それはもう想像を絶するくらいのショックを受けることでしょう。

それでも――僕は、金銭的な資産を復活させることは、それほど難しいとは思っていません。なぜなら、それを生み出す“僕という資産(=価値)”は失われていないからです。野球選手の家が火事で全焼したからといって、その選手の価値が下がるわけではないのと同じです。

ここでいう価値とは「希少価値」のこと。つまり、将来的に最も期待値の高くなる価値を得る手段として「代え(替え)の利かない存在になること」と、その価値を活かした「事業の権利」を手にすることが、とてつもなく重要だということが見えてきます。

そのために必要となるのが「投資」です。今は僕自身に対して、ある一定の世間的な「価値」が認められているので、僕は何を失っても、僕さえいればなんとか再起は可能です。

例えば、僕が最近始めた仕事のひとつに、パチンコホールさん向けのコンサルタント業務があります。この仕事においては「信用」という要素は欠かせませんが、それを含めて、僕が1GAMEで培ってきた「価値」があるからこそ仕事として成立して、食べていくことができるのです。

そういう意味では「資産とは自分自身だ」というのが僕の考えです。そこで、自分の資産である価値を新たに作ったり、今持っている価値をさらに高めたりするため、欠かせないのが「投資」ということになります。

投資というと、どうしても株式投資や不動産投資など、自分の金融資産を他の資産と置き換えていく行為を想像しがちですが、ここでいう投資とは「自己投資」、つまり自分の価値を創造するために使うお金や行動のすべてです。

▲本を読むことも大事な自己投資 イメージ:Fast&Slow / PIXTA

例えば、本を買ってきて新たな知識を身に着けていくことが、まさに自己投資のひとつの形です。世の中には、すでに成功を収めた人たちの言葉をまとめた本がいっぱい出ています。先人たちの言葉に真摯に耳を傾け、たくさんの前例を学んでください。

この投資を有効にするかどうかは「貯蓄」にかかってきます。投資で得た知識や技術、経験は将来的にどのように役立つのかはわかりませんから、ただただひたすら貯めていくことが重要となります。