豊島園の夏のイメージガールで芸能界デビュー。『11PM』ではカバーガールとして人気を博し、女優として映画『Love Letter』などに出演した小栗香織さん。現在は女優のグラビアプロデュースを主に行っていますが、今回、23年ぶりに歌手活動を再開し、新曲『寄り添って』をリリースされました。ニュースクランチでは、小栗さんの芸能生活を振り返りつつ、このタイミングで歌手活動を再開された想いなどを聞いてきました。

23年ぶりの新曲では“癒し”を届けたい

 

――まず、23年ぶりの新曲『寄り添って』についてですが、どういった経緯でリリースされることになったのでしょうか?

小栗 この曲の作詞作曲をしていただいた八文字裕紀さんと、以前から「曲を発表したいね」とは話していたんですけど、コロナ禍もあって、時間をかけて今年の7月の時期になりました。

――23年ぶり、というのを全く感じさせない歌声で驚きました!

小栗 ありがとうございます(笑)。デモテープをいただいたんですが、このご時世なのでスタジオなどで何度も練習することもできず、自宅と車内でデモテープを流しながら歌って練習をしました。

――どういう楽曲に仕上がりましたか?

小栗 不倫っぽい趣きもある歌詞なんですけど、「寄り添って」というのは、何も恋人同士だけじゃなくて、家族でも友達でも、大切な人を想って一緒に聴いていただけたらいいですね。曲調はミディアムバラードなので、皆さまに癒しをお届けられたらうれしいです。

――小栗さんがご自身で書かれたのかな、と思うくらい曲が馴染んでいました。

小栗 そう言っていただけるとうれしいです! 実は今、新曲を作成していまして、今回は自分で作詞をして、作曲は今回も八文字さんに作っていただいてます。自分の歌詞で歌う新曲も楽しみにしてください。

――それはすごく楽しみですね!

小栗 こんな世の中だからこそ、歌を通して「大丈夫だよ」ってことを伝えていけたらいいなって思ってます。

スカウトマンの執念とバブリーな撮影秘話

 

――小栗さんの芸能活動の歴史を振り返らせていただきたいのですが、そもそも芸能界に入ったきっかけは?

小栗 スカウトですね。学校の帰りにスカウトされて、熱心なスカウトマンが「一度でいいから社長に会ってほしい」っておっしゃって。でも、芸能人になりたい気持ちもなかったし、怪しいじゃないですか。だから丁寧にお断りして。その頃は、今みたいに携帯がなかったので、公衆電話から自宅に「今から帰るね」って電話して帰ったんです。そうしたら帰宅したあと、そのスカウトマンから自宅に電話がかかってきて。

――え!!! どうしてですか!?

小栗 (笑)。私も「なんで自宅の番号がわかったんですか?」って聞いたら、私が公衆電話で自宅の番号を押してるのを、後ろから気付かれないようにずっと覗いてたらしくて、必死に覚えたんですって(笑)。さすがに熱意に負けて「じゃあ一度だけ社長さんに会います」って返事したのがきっかけですね。

――あははは! すごい話ですね! でも、それぐらい当時の小栗さんに光るものを見出したってことですし、そのスカウトマンの眼は間違ってなかったですね。

小栗 ありがとうございます。

――これまで、さまざまなお仕事されてると思うんですが、特に印象に残っているお仕事はありますか?

小栗 やはりデビューのお仕事が印象に残ってますね。デビューが豊島園の夏のイメージガールのCMだったんですが、ハワイで撮影だったんですけど、撮影の1週間前に現地に向かわされて「日焼けしておいてね」って。遊ぶ用のお小遣いも一緒に渡されて。

――えー! すごい時代の話ですね……!

小栗 今だったらありえない話ですよね。それで撮影隊は前日くらいに来て、撮影自体はすぐに終わって、また帰る日までハワイで遊んで、っていう(笑)。実際に使われたカットは“ここはハワイ?”って感じでした(笑)。いろいろと印象に残ってますね。

――豊島園の夏のイメージガールって、すごいプロジェクトですよね。それを新人の小栗さんに賭けるって、それこそありえない話かなと。それぐらい小栗さんに賭けてみたいって思わせる何かがあったってことですよね。

小栗 うーん。でも、たぶん最初から絶対に芸能界に入ってやる、とか、絶対に売れてやる!ってモチベーションだったら、続いてなかったと思うんですよね。どこか力が抜けた感じが良かったのかも。当時はそれが良いほうに向いてたんじゃないかな、とは思います。