1992年、アイドルとしてデビューした少女が、子どもの頃から愛していた演歌の道に――。改名、結婚、出産など、さまざまな経験をしながらも、常に自分らしい歌のあり方を追求してきた歌手、みずき舞さん。

今年、デビュー30周年を迎えた彼女は、ますます深みを増した歌声を、最新シングル『満月の花(c/w 七化けブギ)』で聴かせてくれています。ファンとのLINE電話イベントなど、新しいことにも挑戦しながら歩みを続けるみずき舞さんに、新曲に込めた思いはもちろん、この30年の道のりや、夫・小橋建太さんや愛娘のことなど最近の私生活についても聞いてみました。

▲デビュー30周年を迎えた歌手・みずき舞さん

女性が花に成り変わっていくというドラマ性

――今日はデビュー30周年記念ということで、記念シングル『満月の花』を中心に、これまでの歩みを伺っていきたいんですが、この節目となる作品に、どんな気持ちを込めてレコーディングしましたか?

みずき 最初は「細江真由子」という名前でデビューして、以来30年、いろんな作品をいただいて、いろんな仕事をさせていただきました。今回の『満月の花』は、前作の『雪に咲く』(2019年5月発売)と同じく、朝比奈京仔(あさひなきょうこ)さんと弦哲也(げんてつや)さんに作っていただいたんですけど、日頃応援していただいてる皆さんの思いが、ずっとつながっていると思って、それを感じながら歌わせていただくことができました。レコーディングの時も一人じゃないような感じがしていましたね

――30周年記念作品ということで、みずきさんからも「こういう感じの曲にしたい」というリクエストはありましたか?

みずき そうですね。通常は出来上がった曲をいただいて、それをどう歌うかという感じなんですが、今回は制作の前段階から、日本の四季の美しさや女性の繊細さなどをディレクターさんと話して、曲のイメージを作っていきました。そこに朝比奈先生ならではの色が加わって「人を愛する想い」というのがテーマになり、女性が花に成り変わって歌い続けていくというドラマ性も加わりました

弦哲也先生の楽曲には、胡弓(こきゅう)の音も入れることで、曲に「人生」という奥深さを出してくださいました。出来上がってみたら、私が最初にイメージしていた世界よりも、ぐっと広がっていました。

〇【MV】みずき舞 / 満月の花[YouTube]

ファンの方との生電話は私もドキドキしています(笑)

――サビの「チルチル」というところが、とても印象に残りますね。しかも今回の曲には「振り」もついていて。

みずき はい。振り付けのある曲はデビュー曲以来のことでした(笑)。『マルモリダンス』を手がけた濱田“Peco”美和子さんに振り付けをお願いしたんです。

――覚えやすい振りなので、コンサート会場でお客さんも一緒にできそうですよね。

みずき そうなんです。そういう風に考えてくださったんですよね。お客様と一緒にできるように。

――これは盛り上がると思います。そして『満月の花』には、みずき舞というアーティストの30年の集大成的な意味合いもあるかと思うんですが、新たに挑戦した部分はありましたか?

みずき そうですね。いつでも挑戦する部分はあるんですけど、今回はジャケット写真もこれまでにはない感じで撮っていただきました。先ほどお話しした「振り」も一つの挑戦でしたし、あとはコロナ禍ということで、オンラインイベントを初めて開催してみたり。それが今までになく新鮮で、30年の節目にそういうことを体験させていただけるのもありがたいなと思います。

――7月16日にはファンの方々と触れ合う企画もありますよね。

みずき そうなんです。テイチクのオンラインショップでお買い上げいただいた方に、LINEビデオ通話と生電話でお話をさせていただくんです。1対1でね。すでに「電話なんて、何を話していいかわからない!」って声もいただいてて、私もドキドキしています(笑)。

――普段はファンの方と直接話す機会はありますか?

みずき コンサート後に楽屋口や駅で出待ちしてくださったりする方はいるので、二言三言の言葉を交わすことはあるんですけど、たいてい握手のときに「舞ちゃん、応援してるよ」とか、短い言葉をかけていただく感じで。1対1でしっかり話すということはないですね。

――みずきさんは、どんなことをファンの方に聞いてみたいですか?

みずき (長考して)「私のどこが好きですか」ってことですかね(照笑)。あと「どうして応援していただいてるんですか」ってことは聞いてみたいです。でも、こういう企画をやったことがある歌手の方に聞いたんですけど、お互い緊張して会話が進まなくて、ずっと「お元気ですか? いつもありがとうございます」「いえいえ、こちらこそ」みたいなやりとりが延々と続くらしいです(笑)。

“ファンの集い”みたいに大勢で集まるときは「もっと話したかった」って言ってくださるんですけど、1対1だと何を話していいのかわからないみたいですね(笑)。私も皆さんと触れ合えるのは、緊張しますけど、特別な気持ちで楽しみです

▲ファンの皆さんと話すのが楽しみです