モデルだけじゃなくスタッフも全員水着の撮影現場
――ご自身の中で転機になった出来事はありますか?
小栗 今やってる仕事にもつながってるんですけど、30代に入ってから、それまでずっと芸能界にしかいなかったので、洋服のデザインの専門学校に行ったり、歌の勉強したりとか、いろいろやってたんですね。そんななか、デビュー当時のプロデューサーが体を壊してしまって「俺の仕事を手伝ってみない?」と誘ってもらったのが大きな転機ですね。
――なるほど、今のプロデューサーとしての活動はそこからスタートしたんですね。
小栗 はい、女優業しながら2年ほど、その方のアシスタントとしてやってました。これまで“自分がしていただいてたこと”をやらなきゃいけない、ってことに最初はすごくギャップがありました。例えば、小さいことでいうと「お弁当、何にしますか?」って聞いたりとか。
――たしかに、今まではしてもらっていた立場ですもんね。
小栗 でも、それが全然嫌じゃなく、苦じゃなかったんです。自分がこれまでしていただいてうれしかったこととか、逆に気づいてもらえなかった所をケアしていく。特にグラビアの現場は男性が多いので、そこでタレントさんの顔色をしっかり見てあげたりとかもそう。この仕事のみんなで作り上げていくチーム感みたいなものが、すごく新鮮で楽しかったんです。
――こうしてお話を伺っていても、小栗さんからは自分のことより、まず相手のこと。人のため、というのを強く感じます。しかもそれが打算的じゃない、というか、非常に自然にそれができているような気がします。
小栗 私、人が好きなんだと思います。集団行動は苦手なんですけどね(笑)。そういえば、前にグラビアの現場で、カメラマンさんもスタッフが全員女性だったことがあったんですけど、“モデルさんだけが水着なのはおかしい!”と思って、私もスタッフも水着で撮影したことがありました(笑)。
同じような病気をした方に「寄り添って」
――小栗さんといえば、ご主人が韓国籍ということで、韓国通としても知られていますが、今の韓国のトレンドは何かありますか?
小栗 日本でもフードデリバリーのサービスが今や普通になってますが、それは韓国も同じですね。フードデリバリーのサービスが生活に根付いてます。あと、トッポギ(韓国の国民食)、日本だと甘辛いイメージですけど、今の韓国ではスイーツとしても食べるのも主流になっています。いわゆる、イチゴ飴のようなインスタ映えするカラフルなものを若者は食べていますね。もしかすると、そのうち新大久保とかで流行るかもしれませんね。
――どんなものなのか気になりますね。この記事を読んでいる方の中には、テレビや雑誌で活動していた小栗さんに心奪われた世代が多いと思うんですが、ズバリ! “小栗さんが考えるいい男”って、どういう男性でしょうか?
小栗 優しい人、だと思います。それは言葉でいうと軽く聞こえるんですが、本当の優しさって年齢に関係なく、他人のことをまず第一に考えられる人じゃないかなと思います。そういう男性が一番強くて、モテるんじゃないかなと思います。
――ご自身より他人のことを考える小栗さんが言うからこそ、非常に説得力のある言葉です。今後の活動をお聞かせください。
小栗 コロナ禍の中、23年ぶりに新曲を出したので、いつかはライブができたらいいなと思ってます。あとは、2016年に乳がんを告知されてから投薬治療を続け、副作用と戦いながら再発や転移もなく、5年の節目を迎えることができました。今回の楽曲のタイトルにもつながってきますが、自分の経験をもとに同じような病気をされた方に「寄り添って」いけたらいいなと思い、ピンクリボンアドバイザーと、心理カウンセラーの資格を取得しました。
――すばらしいですね!
小栗 まだまだ自分ができることに挑戦していきたいと考えています。発信できることや、今はコロナ過で難しいと思いますが、講演会やイベントなどでいろいろな方と交流をして、心を癒せていけたらいいなと思ってます。プロデュースのお仕事でも、いろいろ進めている案件もありますので、これからも女優、プロデューサーとしても頑張ります!
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