2018年に大阪から東京へ活動拠点を移し、さまざまなバラエティ番組に出演しているダイアン。中学時代の同級生でコンビを組んだ彼らは、若手の頃から実力派漫才師として注目されてきた。昨年コンビ結成20周年を迎え、現在は新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けて開催が延期されていた全国ツアーの真っ只中。多くは語らずとも「ネタは一番大事なもの」という一言に、舞台や漫才への真摯な気持ちが表れている。

※本記事は『+act.(プラスアクト)2021年12月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。

結婚してユースケのネタ作りのスピードが上がった!?

――本号が発売されるころには大阪を残すばかりですが、全国ツアーというかたちで単独ライブを開催されるのは、今回が初めてですよね。

ユースケ ほんまは昨年が20周年やったんです。けど、コロナの影響で開催できなかったので、今年やろうかなということになりまして。

津田篤宏(以下、津田) 行くんやったら、どこがええんかなって、なったんですけどね。

ユースケ めっちゃいっぱい回るみたいなイメージはなかったんで、東京と大阪以外はあまり行ったことがないなかで福岡と宮城に決めたんです。福岡には吉本の劇場もありますしね。

津田 なんで宮城になったんやったっけ?

ユースケ 最初、北海道に行こうかっていう話もあったんですけど、いろんな事情で難しいなということになって。で、いろんな芸人さんがライブをやっているというのを聞いて、宮城に決めました。

――タイトル通り、漫才ライブなんですか?

ユースケ もちろんコーナーもあるんですけど、20周年なので過去にやってきた単独ライブとかも含めていろいろとやる感じで。ネタも新ネタだけじゃなく、過去のもちょっと変えてやる予定です。

――4都市それぞれ違いはあるんですか?

ユースケ とりあえず全部変えようかなとは思ってますけど。

津田 ふふふ……いやいや、一緒ですよ。そら、ちょっと変わることはあるかもしれないですけど。

――ネタはいつもユースケさんが考えられているんですよね?

ユースケ そうです、そうです。いつも出来上がった台本を渡すんですけど……だいたい、半年くらい前かな? 大安の日に渡して(ふたりで)ネタを合わせていく感じですね。

津田 ……だいたいもらうんは、本番の2週間くらい前ですけどね。

――半年前ではない?

津田 そうですね(笑)。ただ、今回は早く出来上がったほうやったと思いますよ。いっつももっとギリギリで、本番の3日前くらいに最後の1本が出来上がるっていうのがよくあるパターンなんですけど、今回は早くてびっくりしました。結婚したからちゃう?

ユースケ 嫁も一緒に考えてくれてね? もうちょっとこうしたほうがええんちゃうとか、このボケのほうがええんちゃうとか言ってくれたんで、早く出来たんかもしれないです。

津田 (小声で)……それ、ええことちゃうで?

ユースケ (笑)。いつもより新ネタがちょっと少なかったっていうのもあったんでしょうけど、昨年は(単独自体が)出来なかったですし、今までこんだけ(単独から単独までの期間が)空いたことがなかったんで、ペースがつかめへんかったというか。どれくらいに出来てたんかわからんかったことで、取り掛かるんがいつもより早かったっていうのはあったかもしれないです。

――ネタが出来上がるまで、津田さんから進捗について聞くことはあるんですか?

津田 絶対に出来ると思ってるんで、あんまり言わないですね。さすがにちょっとヤバイなと思ったときは『ネタどう?』って聞きますけど。今回は1回かな? 聞いたんは。

ユースケ あぁ、どうやったやろ? 1回言うてきたわ。その時にはもう2本くらい出来てたんで、そのネタからふたりで合わせました。

――出来上がった台本に対して、津田さんは何か感想を言われるんですか?

津田 えぇっと……何にも言わないです。もちろん、稽古の中でちょっとずつアドリブが入ったり、足していったりしていってかたちになるっていう感じですけどね。僕ら、けっこう稽古するほうやと思うんですけど、どうなんやろ? ほかのコンビのことはわからないですけど。

ユースケ 確かにやってるほうやとは思います。

――本番はお客さんの反応がありますから、最初の東京公演から最後の大阪公演となると、ネタのなかでいろんな変化はありそうですよね。賞レースに参戦していた頃と今、作り方に変化はありましたか?

ユースケ もちろん変わったと思います。今はどうなんかわからないですけど、『M-1』に出てたころってシステムにネタを当てはめるみたいなかたちがあったんです。僕らもそういうかたちで決勝へ行ったんですけど、今はもっとのびのびとしたものになってると思います。

津田 うん、今のほうがいいですよね。本当に普段の僕らと近いというか、奇をてらったところがないのもいいなと思ってますし、僕らのキャラも立ちやすいのでやりやすいですね。

津田の入試失敗が軸になっているダイアンの歴史

――おふたりは中学の同級生ですけど、友達だったころと今、ノリの部分で変わらないなと思うところはありますか?

津田 どうなんやろ? 徐々に変わってきてるのかもしれないですけど……なんせ、ずっと一緒にいますからね。もうひとり(ネタと)関係ないヤツが近くにおるなら、変化もわかりやすいと思うんですけど、自分らではちょっとわからないです。

ユースケ まぁ、でも変わってないんじゃないですかね?

津田 学生時代かぁ……ツーリングに行ったりしてたっけ?

ユースケ ツーリング? 行ったことないよ。黄色い原付(バイク)しか乗ってなかったやん。

津田 (笑)。琵琶湖へ行ったり、いろいろと一緒に遊んでたと思います。相方は昔のことをよう憶えてるんですけど、僕はすぐ忘れちゃうタイプなんです。

ユースケ もちろん忘れてることはたくさんありますけど、相方が高校に落ちたことが思い出の軸になってるっていうか。

津田 いっちばん言うてるやつやん、それ!

ユースケ ふふふ……これは高校(入試)に落ちた前やったなぁ、あとやったなぁとか、そこを軸にいろいろと憶えてるんですよ。それを忘れたら全部忘れてしまうくらい、大事な思い出ですね。

津田 もう45歳やで? 俺。30年くらい前のことやん。高校に落ちたなんて、別に珍しいことじゃないし! まぁ、中学のときは『あのテレビ見たけ?』とか話してたと思います。

ユースケ テレビくらいしか(話題が)なかったですしね。お笑い番組はそのころから好きでしたし。

ダイアンさんへのインタビュー記事は、11月12日発売の『+act. (プラスアクト) 2021年12月号』に全文掲載されています。