奄美出身の歌手・元ちとせさんが、2021年12月27日に都内で映画『夫とちょっと離れて島暮らし』(國武綾監督、公開中)の舞台挨拶にゲスト出演し、イラストレーターのちゃずさんと國武監督と一緒にトークを繰り広げた。

奄美は大きい家族のような安心感がもてる

映画は、東京から鹿児島県奄美群島の加計呂島に期間限定で移住した、イラストレーターのちゃずと島の人々との交流に密着したドキュメンタリー作品。ちゃずは移住体験をエッセイマンガ『イラストレーターちゃずの 夫とちょっと離れて島暮らし』(ワニブックス刊)でも発表している。この日は、歌手の元ちとせと國武監督とともに奄美話に花を咲かせた。

▲2012年に生活の拠点は奄美大島に移したという元ちとせ

現在も奄美在住の元ちとせは「『うがみんしょーらん』――奄美大島の言葉で“おはよう”“こんにちは”“こんばんは”は、すべてこの言葉で成り立つんですけど、奄美を代表してこの場に立たせてもらいました」と挨拶した。

「自分がデビューした頃は、奄美ってどこ?って言われているので、活動のなかで自分のふるさとが広がっているのがうれしかった。映画を見ているという意識よりも、知っている風景すぎて、映像のなかに自分の思い出が出てきたりしながら楽しんだ」と感想を伝えた。

▲ちゃずさんの家に泊まり込みで撮影したという國武監督

ちゃずが出演したラジオを聞き、奄美まで行ってアタックをかけたという監督の國武は「自然の豊かさ、人の温かさに驚きましたし、奄美は大きい家族のような安心感がもてる。これでいいんだなと、周りに気を使わなくていいんだなと思い出させてもらったので、それを映画にしたかった」と話した。

身近に踊りと音楽がある奄美の文化について、元は「畑からも海からも山からも歌がある。たわいもない会話が唄になっているのが、島唄のもともとの形。島の人が自分たちの文化に誇りを持ってほしいという気持ちもあります」と島の良さをアピールした。

ドキュメンタリー映画『夫とちょっと離れて島暮らし』は、ケイズシネマ新宿で、2022年1月7日まで公開予定。

詳しくは公式HPで→ https://www.ks-cinema.com/

▲島の習慣が抜けずに、都会の生活では困ることもあると語ったちゃずさん