1期生トリオのゲーム対決

休憩を挟んでの第二部冒頭には、尼神インターが登場、漫才を披露したあと「特別授業」と称して、すずきみあいムェンドワ、いわなみゆうか、もうりさくらの1期生トリオと「綱引き」「風船はこびゲーム」「リンボー」で対決し、会場を盛り上げた。

懸命にゲームをやるばかりではなく、リアクションやトークも達者な3人に、渚は「みんなおもしろすぎ! 芸人がおるときはもっとおもしろくなくていい」と苦笑いしていた。

第二部本編のスタート曲は、みやはらにこ、たかやあんな、しものあやめ、たなかあかり、さかもとりるは、あんどうはなという身体能力抜群の6人による「動かなかった心の時計」。アクロバットや新体操の技術をふんだんに盛り込んだこの曲は、夏公演でも披露され観客の度肝を抜いた。今回も同様に客席の反応は良く、ミモザーヌのライブにおける「見どころ」のひとつになりつつある。

定番曲となった「愛の速度」「MONSTER NIGHT」を挟んでの新曲「ファンタジーガール」は、ダフト・パンクを思わせるようなバックトラックのディスコナンバーで、ピンクの衣装を着たメンバーが表情豊かに歌い、踊る。今回の冬公演を通して感じたことだが、全員が歌の世界観を表情でも演技・表現できるようになっていた。

続く「ギフト」はしっとりとしたバラード。いまもりまなか、いわむらゆきね、たかはしまお、いわなみゆうかの4人がそれぞれ清廉なヴォーカルを聴かせる。とても前向きな歌詞で、見る人を勇気づけるようなミモザーヌらしい曲である。

きくたが涙の挨拶「私にとっては宝物です」

短いトークコーナーのあとには、本日の主役、きくたまことが再び一人でステージに登場。観客席を感慨深げに見渡して「10代というかけがえのない時間をここで過ごすことができて、私にとっては宝物です」と涙をこらえながら挨拶した。

後輩たちに「人と人とをつなぐ架け橋になるようなグループになって欲しい」とメッセージを伝えた彼女の顔は、今にも泣きそうにゆがんでいたのだが、ソロで「応援歌」を歌い始めたら、いつもの明るい笑顔に戻っていたのが最高に素敵だった。この笑顔の晴れやかさで、彼女がミモザーヌの活動を“成し遂げた”ことがわかる。

きくたに続いて続々とステージに出てきたメンバーの中には泣いている子もいて、去りゆく彼女に感謝の気持ちを示しながら最後の時間を惜しんでいた。みんなに慕われた「まこっちゃん」らしい送り出され方だったと思う。

感動の本編が終わり、アンコールで披露されたのは「Come On-A My House」。ローズマリー・クルーニー(ジョージ・クルーニーの伯母さん)がヒットさせ、日本では江利チエミがカバーしたことでも知られるスタンダードナンバー。すずきみあいムェンドワのパワフルな歌声が素晴らしい。歌唱力も表現力も格段に進化している。パフォーマンスの技術という点でも、また、リーダーシップという点でも今後が楽しみな存在と言えるだろう。

さまざまな見どころがあったミモザーヌの冬公演。最後はいつものように全員で歌う団歌「ミモザのように」でフィナーレとなった。ステージにはたくさんのシャボン玉が舞う。それはあたかも「少女歌劇団」という期限付きの活動に青春を捧げた女の子たちの、美しくもはかない一瞬のきらめきを象徴しているようだった。

▲涙をこらえながら挨拶をするきくたまこと