類まれな体躯を活かし、土曜ナイトドラマ『もしも、イケメンだけの高校があったら』(テレビ朝日)で、美男子高校生たちを率いるコーチとして出演し、世間をざわつかせている速水もこみち。マニアの域まで突き詰める仕事のことから、プライベートの趣味まで話を聞いた。

▲『もしイケ』で伝説のイケメン・風間勇気役を演じる速水もこみち

最終回に向けて盛り上がりを見せる『もしも、イケメンだけの高校があったら』、通称・『もしイケ』。「全国選抜高等学校イケメン大会」の常連名門校である美男子高校生だらけの美南学園に、たまたま通うことになった平凡な男子生徒がなぜか選抜メンバーに選ばれ、奮闘する学園ドラマ。

この作品で、生徒役同様に眼福と崇められているのが、彼らを率いるコーチ・風間勇気役の速水もこみち。風間は全盛期の学園を支えた元生徒で“伝説のイケメン”の異名を持つ。演じる速水自身も『ごくせん』第2シリーズに生徒役で出演、ずば抜けたスタイルの良さで話題をさらった国宝級イケメン出身。近年ではプロ級の料理の腕や、膨大な数のアメコミのフィギュア・コレクションなど、俳優業以外でもマルチな才能を発揮している。

「イケメンだけでは生き残れない」と生徒たちを説く風間コーチ。実際にイケメンとして勝ち残ってきた速水が、体験をもとに語る「真のイケメン」とは?

初めてじゃなかった“伝説の”キャラクター

――「伝説のイケメン」、風間コーチ役をオファーされたときの率直な感想を聞かせてください。

速水 最初にお話をいただいたときは、率直にものすごくうれしかったです。学園ドラマは、僕も昔に経験させてもらったことがありますが、生徒役の俳優さんたちの気合の入り方が違います。現場で皆、キラキラと輝いているんです。そこにまた、僕もチームの一員として加われるんだとワクワクしました。ただ、伝説のイケメン役と聞いて、“自分でいいのかな?”とは思いました。

それでも、『速水さんしかいません!』とスタッフの皆さんから太鼓判を押していただいたので、思いっきり演じようと覚悟を決めました。実はこの前、家を整理していたときに、昔のドラマの現場での写真が出てきたんです。よくよく見てみたら、真っ白いスーツを着て、伝説のホスト役(ドラマ『女帝』)をやっていました。“あれ、伝説?”と引っ掛かっていたのですが、初めてじゃなかったようです(笑)。

――風間コーチを演じるうえで、意識していたことはありますか。

速水 スタッフの皆さんとも話し合ったのですが、今回は台詞がものすごく面白いので、ふざけず、いかに真面目にしっかりと、生徒のみんなに伝えていくかを大切にしていました。もちろんそうでない、少々、遊んだりしている部分もありますが、現場の皆さん、そして生徒役のみんなのテンションに合わせて演じました。

テーマである“イケメン”ですが、皆さん、どうしても外見的なことだと思われてしまうかもしれません。けれど、そうではないんです。“みんな、もっと中身を磨いていけ!”という強い信念を持って、コーチ役を演じさせていただています。あと、台本を読むたびに僕も驚くことばかりで、実はイケメンの上に“真のイケメン”というものがありまして(笑)。勉強になります。

▲台詞が面白いので、ふざけずに真面目にしっかりと伝えていくよう心掛けています

――周囲の反響はどうですか?

速水 ドラマファンで見ている方の評判も当然いいのですが、驚いたのが普段ドラマにあまり興味のない友達まで見てくれているようで、うれしいです。美容室やスーパーで買い物したりしているときなどにも、『見てます。面白いです』と声をかけられることもあって、本当にありがたいです

――面白い台詞が多いですが、印象に残っているものはありますか。

速水 どれも印象的ですけど、例えば、風間自身が自分のことを振り返って、“イケメン”について語るところが何度かあるんですが、それが結構な長台詞なんです。『緊急取調室』で事件の長台詞には慣れているはずなのですが、最初に台本を見たときは“これ、どうやって覚えるんだ”と動揺したことを覚えています。

徐々に慣れてきたある日、台詞に僕自身が体験した過去のエピソードが面白おかしく紛れていて……。どうやらプロデューサーさんにお話したことが引用されていたんです。どうりで僕自身、すんなりと気持ちが入り込めるなと思いました(笑)。

――最終回を目前にして今一番、思い出されることは?

速水 どれも強烈でいっぱいあるのですが、ひとつ選ぶとするなら、みんなと一緒に『面武両道!』(美男学園の校訓)と連呼しながら、士気を高めていた瞬間でしょうか。すごく輝いた笑顔で、みんなが『面武両道』と声を合わせていて、ものすごい一体感を感じていたことを覚えています。

放送では、時間の都合でカットされている部分もあるのですが、みんなアドリブを入れたりしているんです。そういうところも面白かったです。風間としての場面なら、病で急に血を吐くところですね。長時間、口に含んでいたので、なかなか血が落ちなくて大変でした(笑)。