イケメンだからって良いことばかりではない
――生徒役の10代、20代の子たちとの共演はどうでしたか。
速水 みんなの姿を見ていて、本当に真面目だなと思いました。みんな、いい子なんです。あれだけの人数の男の子たちが集まると、どうしてもふざけてしまうような傾向があるんですけど、それが全くない。きっと座長の細田(佳央太)君が、現場でしっかりとモチベーションを保っていたからなんでしょう。オンオフはしっかり分けて、集中するところは集中して臨んでいました。
カメラが回っていないときに、僕が話しかけることもあれば、みんなから話しかけてくれることもあって、どうやら小学生時代に僕が料理するところを見てくれていたらしく(『MOCO'Sキッチン』)、『料理を始めたいんです』と相談されたり。あとは僕のYouTubeチャンネル(『M's TABLE by Mocomichi Hayami』)を見てくれたみたいで。『Apex Legends』というゲームの話で盛り上がったりしました
――素敵なお兄さんのポジションですね。
速水 僕も本来なら現場にケータリングしたりするので、こういう大変な状況でなければ、何か作って差し入れたかったし、こういう大変な状況でなければ、みんなで一緒にどこかに出かけたりしたかったです。本当にいい雰囲気で、また続編とか、このチームでやれたらいいなと思っているくらいです。風間としては、一度くらい細田君が演じる池田君の家に遊びに行きたかった!
あと、これだけ『選抜イケメン大会出場』を目指しておきながら、どんな大会なのか、全員がその概要をわかっていなかった(笑)。謎のベールに包まれたままなので、いつか本当の大会に出場するまでを見てみたいし、その景色を僕も見てみたいです
――先輩として、彼らにアドバイスするなら?
速水 僕からアドバイスなんてとんでもないです。僕が学園ドラマに出ていた当時のことを思い出して、現場ではとてもうらやましかったです。今はコロナ禍で近い距離で打ち合わせすることは難しいですし、僕らの頃とは違います。ただ、彼らの姿を見ていて、“僕らもこんな風に集中していたな、なんか話し合ってたな”と思い出しました。
僕らは楽屋も一緒だったので、みんなで台本を開いて『ここにギャグを入れたら、面白いかな』とかワイワイ話し合っていました。とはいっても、あの時の僕らは未経験な人たちが多かったんですが、今の俳優さんたちはみんなプロですね。現場でも臨機応変に対応していて、すごかったです。当時の自分だったら考えられないです(笑)。
――イケメンゆえに栄光と挫折を味わってきた風間コーチですが、速水さんは容姿が整い過ぎていたことで、損したことはありますか。
速水 スタイルのことでいえば、身長がすごく高いので、作品が限られてくることもあるんです。作風に合う、合わないとか。昔、初めての時代劇(『柳生武芸帳』)で京都に行ったとき、衣裳に着替えようとしたら、衣裳さんに『こんな背の高い人は、この時代にはおらん。なんでおるん?』と言われたことがありました。自分で自分のことをいうのは憚られますが、良いことばかりではありません。だから今回、この役をいただけて、本当にありがたいし、うれしく思います
――速水さん自身が考える、真のイケメンとは?
速水 イケメンって、パワーワードなので、みんな見た目だと思いがちなんですけど、僕は人によって、好みはさまざまだと思います。それに真のイケメンといえば、やっぱり中身が大切じゃないでしょうか。ドラマの中でも、内側を磨いていくうちに外側、外見にも影響して、磨かれていくという話をしていました