NewsCrunch編集部2022年の4月1日に創業110周年を迎えた吉本興業。それを記念して4月2日(土)と3日(日)の２日にわたり、なんばグランド花月で吉本興業創業110周年特別公演『伝説の一日』が開催されている。初日参回目の公演の口上では、この舞台に懸ける強い思いを見せた西川きよし、若手からは、ぼる塾の３人が取材に答えてくれた。
「私たちも伝説の一部になった」(田辺)
在阪５局が同時生放送しており、そのすべての番組に出演したという西川きよしは「芸能生活60周年、ということは吉本の歴史の半分以上。今は14館ある劇場も、僕の頃は3館だけ、100人ほどだった所属芸人も今では1000人。僕の同期はもう誰もいません」と、まさに生き字引の重みを見せた。
ぼる塾の田辺は「100周年はお客さんとして見てたのに、舞台に立てるのが感慨深い」と語ると、はるかも「錚々たるメンバーのなかに、ぼる塾がいるのが緊張しました」と同調し、あんりが「だから、田辺さんはいつも以上にいい調子で漫才ができました」と笑った。
伝説について問われると、あんりは「田辺さんが劇場のルールを変えたんです。神保町漫才劇場で４回出演のとき、田辺さんがマネージャーにご飯の時間がないじゃん、と怒った。そこからリハを朝にまとめてやって、食事の時間を作るようになった」と明かす。
すると、西川きよしは「僕の頃だったら、出演者は勝手に時間を作って食べろという時代」と驚きながらも「でも、僕の頃から楽屋に弁当とお茶を用意しておけば、芸人は文句を言わない、というのはあった。そういうところは吉本のうまいところかも」と笑った。
さらに、やすきよ時代の伝説を暴露。「せっかく手に入れた、やすきよの冠番組を休みたいと、やすしくんが言う。なんでかと聞くと、アマチュアのボートレースの大会がある、一生の願いだから出たい、と。２年先輩やから逆らえへん。当日は渋滞だかなんだか理由つけて、会社に嘘ついて休んで、オール阪神・巨人とか後輩に助けてもらった。それで翌日、スポーツ新聞を見たら、やすし優勝！ってカップを持って笑ってる写真。あそこからコンビ仲が悪くなった」と、豪快な“やすし伝説”を明かしてくれた。
それを聞いて、あんりも「うちも田辺さんが２年先輩なんです、昨日も田辺さんがKAT-TUNのライブに行くから全員が休み」と明かすと、西川は「それ会社が許すの？ 吉本も変わったな〜」と世代のギャップに驚いていた。
きよしは「劇場を大事にしている芸人は、テレビに出ていても笑いの足腰が強い」と劇場の強みを語ると、あんりも「ウケる・スベるが一番わかるのが劇場。テレビに出ていても劇場に出てないと自分の実力がわからない。だから居場所です」と話した。
110年間“笑い”を発信し続けてきた吉本興業が、伝統と最新の「笑い」を同時に見せてくれた、まさに「伝説の一日」だ。このイベントの模様は、FANYオンラインで4月11日(販売は4月10日)まで見逃し配信もしているので、自宅からでも「伝説」を楽しむことができる。気になる人は『伝説の一日』ホームページを確認してみよう！
