2019年6月に結成され、その年の年末にはフェス「COUNTDOWN JAPAN 19/20」に出演。1stEP「NACHTMUSIK」タワレコメン選出、 1stMV「カヤ」が100万回突破など、着実に話題を集め、これまで行ったライブは全てチケットが即完するなど、ネクストブレイク筆頭のロックバンド「anewhite(アンホワイト)」。

昨年末に発表した1stアルバム「2000's」も好評のなか、4月20日(水)に配信シングル『恋人つなぎ』をリリースした。春の陽気に合う、2人の未来に寄り添うラブソングであるこの曲について、anewhiteのボーカル・ギターの佐藤佑樹に話を聞いた。

普遍的な言葉でいかにオリジナルを出せるかに挑戦した

――4月20日に配信リリースされる『恋人つなぎ』 。まさに今、この季節にぴったりな楽曲だなと感じました。実際に楽曲を作り始めたのは、いつ頃だったんですか?

佐藤 昨年の12月に初のフルアルバム「2000's」をリリースしたんですが、そこから取り掛かりました。

――「2000's」にも、ピアノが基調となった楽曲があったと思うんですけど、この曲はイントロからピアノによる気持ちの良いメロディーが鳴っていて、また一歩踏み込んだ印象を受けました。

佐藤 そうですね。『恋人つなぎ』を作るにあたって、次はピアノメインの曲を作ってみよう、ということだけは事前に決めていました。前作をリリースして、ライブをやっていくなかで、ギターの(河田)一真がピアノもできる、というのが強みだなと感じたので。

――歌詞もすごくいいなと感じました。一聴すると、照れのないストレートなラブソングなんですけど、歌詞をしっかり読むと、あまり他にない表現を使っていますよね。

佐藤 ありがとうございます(笑)。そこまで伝わってるとうれしいです。

――こんなことを表現者に聞くのはバカみたいな質問で気が引けるんですが、ラブソングを書いて歌うのって恥ずかしくないですか……?

佐藤 ははは(笑)。でも、たしかに最初の頃は、恥ずかしいなって気持ちがあったかもしれないですね。自分がラブソングを歌えるタイプじゃないと勝手に思い込んでたんです。もっと人間の生死に関わるような、ドロドロしたものを歌いたいなって思ってました。

――それがいつ変わったのでしょうか?

佐藤 1stアルバムをリリースする前、去年の4月に「劇場を抜けて」というepをリリースしたんですけど、それが自分にとって大きかったですね。そこで人間の生死についてスポットライトを当てて歌詞を書いてるときに、人間ってそれだけじゃないな、その生き死にに向かう道中に恋愛もあるし、大事な要素だなと気づいたんです。

――実際に「恋人つなぎ」が出来上がってみて、いかがでしたか?

佐藤 ピアノメインでいい曲ができたと思ってますし、歌詞でいうとBメロにある「特別になっていく程 普通に変わっていくもの」というところが特に好きですね。皆さんが慣れ親しんだ言葉、普遍的な言葉で、いかにanewhiteらしい歌詞を書けるか、ということに今回は挑戦していて、それができている箇所かなと思います。

――なるほど! ストレートな言葉を使っているけど、リスナー側がクサく感じないのは、そういうところに秘密があるのかもしれないですね。anewhiteの歌詞は、この曲に限らず、背伸びしていないところがとてもいいな、と思います。きちんと半径5メートルで起こり得ることを丁寧に書いてる印象です。

佐藤 それはありがたいです! 僕は19歳からバンドをやっていて、今は21歳なんですけど、3年経って書けることも増えたけど、逆にそのときしか書けなかったこともあったって思ってるんです。でも、ひとつ言えるのは10年後、20年後に歌っても恥ずかしくない言葉で書こう、という気持ち。それは変わらず持っていますね。

――そこに対して意識があるのはすごいですね……。先程、この『恋人つなぎ』は「ピアノメインで」とメンバー内ですり合わせたとお話されてましたが、例えば歌詞について他のメンバーの方々から意見されたりすることはあるのでしょうか?

佐藤 歌詞に対する意見はないですね。逆に、今回の『恋人つなぎ』に関しては、僕からメンバーに「この表現、ちょっとわかりにくいかな?」とか聞きました。今回はそれで直した箇所もあります。

――お互いの信頼感が非常に感じられるエピソードですね。

佐藤 未だにメンバーに歌詞を見せるのは、少し恥ずかしいんですけどね(笑)。

――これからスターダムにのし上がっていくだろうバンドに、こんなことを聞くのは野暮なんですけど、anewhiteはこういうバンドになっていきたい、みたいな指針はあるんですか?

佐藤 そこまで言っていただいてありがたいです……(笑)。僕自身は、ギターがかなり激しめに鳴っているロックバンドが好きなんですけど、メンバーと一緒にやれることって考えたときに、anewhiteっていろいろなことができるなって思ったんです。さっき言ったみたいにピアノもできるし、同期を使って打ち込みもできる、軸を残しつつ、いろいろな可能性があるバンドだって改めて思いました。