四半世紀経っても若者枠であり続けるコンビ

――今年、結成25周年ですが、そういう感慨ってあるんですか?

藤田 いや、あんまりもう……(笑)

大村 でも、単純に四半世紀ってすげえな。

藤田 上の人たち、もっといますからね。キャリア40年とか(笑)。

大村 前に大木こだま・ひびき師匠が、25周年のイベントやってたのを「すげぇな、25周年かよ」って、おっさんを見る目で見てたんですけど、今、そこに自分たちがいるのかと(笑)。

▲競輪からM-1まで、いろいろ話してくれたトータルテンボスの二人

――今の若手は同じように思ってるかも(笑)。競輪だと師匠と弟子のエモい関係というのがありますけど、EXITみたいにトータルテンボスを見て憧れて、お笑い芸人になったって人もいますからね。売れてる人にリスペクトされてるのは、それはそれですごいことですから。

大村 うれしいですよね、単純に。うれしいんですけど、今入ってくる子たちはもう誰一人として憧れてないからね(笑)。世代じゃないんで。ホント、りんたろー。とかオリエンタルラジオあたりだけです。オリラジなんて「トータルテンボス見て芸人になった」みたいなこと言ってたのに、「武勇伝」やってましたからね。俺たちの要素、全然ないじゃん!(笑)。EXITはチャラさとかでまだわかるけど。

藤田 この前も誰だっけな。「すげー憧れてたんですよ」とか言ってたのに、ネタは全然違うんでずっこけたな。リズムっぽいネタやるやつ。とにかく俺たちの色、全くなかったですね(笑)。

大村 オリラジなんて、NSC在学中に『エンタの神様』出てたからね。ちょうどエンタのオーディション、俺たちとかぶって、「よかったら、ネタ見せを見学させてもらってもよろしいですか?」って言われて。

藤田 めちゃくちゃ恥ずかしいことなんですよ、ネタ見せを見られるなんてね。

大村 でも、そんなの断るのも恥ずかしいなと思って、オリラジに見られながら俺たちはネタ見せして。で、結果、オリラジが受かって俺たちが落ちた(笑)。

藤田 それなのに「勉強になりました」とか言われて。俺たちは落ちてんだよ(笑)。落ちるやつを勉強しちゃダメなんだよ(笑)

――そういうところがトータルテンボスの素敵なところなんですよね。芸歴的にはサンドウィッチマンさんとほぼ同期なのに、ベテラン感がない。

大村 実際、サンドさんのほうが年は上だけど、コンビ歴は下なんだよね。俺たちがM-1ラストイヤーのとき、彼らは優勝して、あと1年出られたらしいんで。

――サンドさんの場合は、自分たちのことを「おじさん認定」して、おじさんとして振る舞うのが早かったんですよ。でもトータルテンボスは、今も若者枠で活動してるんですよね。

大村 幼稚なんですよ(笑)。

――地元のツレ感がまだ残ってる。それがエモいんですよね。

大村 マジで感覚が大人じゃないんですよね(苦笑)。

――お互いにイタズラし合う感じとかも。

藤田 そうですよ。いい大人だったら、相方にイタズラなんかしないじゃないですか(笑)。

――それが奇跡なんですよね。 結成25年ですけども、その前から友達なわけですから、それ以上の年月を共に過ごしても、若者ノリで互いにそういうことができる素敵さ。

藤田 うん。相当おじさんですけどね(笑)。アラフィフだからね。『チャリロト』でも、競輪を通じてやっている僕らの面白おかしいやりとりを見てもらえたらと思いますね。番組ではやることが多いので、もうちょっと自由に喋れたらとは思ってるんですけど……ダラッとした雰囲気が僕は好きなんで、皆さんも賭けるついでに、そのダラダラした部分も見て楽しんでもらいたいなと。

大村 競輪に興味がある人ない人、いると思いますけど、まずはこの『チャリロト』を見て、特に競輪に興味ない人も見てくれるようになれば、一番いいんじゃないかなと思います。


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プロフィール
 
トータルテンボス
大村朋宏(おおむらともひろ)と藤田憲右(ふじたけいすけ)によるお笑いコンビ。1997年4月結成。『爆笑オンエアバトル』や『M-1グランプリ』など、多くの大会でファイナリストの常連として躍動。ブレーク後も全国ツアーや単独ライブで、漫才の腕を磨き続けている。最新情報はTwitter:@fujitaomuraで!