キャンプ芸人がたどり着く“境地”

芸能界はいつだって揺れている。不倫、離婚、薬物、芸能人同士の不仲、そして事務所の退社。揺れていないときなどない。揺れているのが好きなのが芸能界なのだ。

芸能に関係がない人でも、この手のゴシップ話が好きな人は多くいる。断言します。芸能界の人間は、この手の話が全員好きです。むしろ好きだから芸能界にいるんです。

「私はそんなの好きじゃないです」

みたいな顔をする人もいるけど、私は密かに嘘だと思っている。だってそういう世界なんだもん。「またまた〜」って心の中で思ってしまう。すみません。

少し前、わが大事務所・松竹芸能も大きく揺れた。しかし、その少し前からゆっくりと揺れていた。

うしろシティの解散だ。

そして、阿諏訪が松竹芸能を退社。今後は個人でやっていくという。キングオブコントの決勝に何度も進出した、うしろシティは事務所きっての実力者であり、その人気は凄まじかった。

私も何度も一緒のライブに出たが、その人気が羨ましくて、舞台上でイジってはスベッていた。申し訳ない。

コンビにはいろいろな事情がある。

解散に向かっていく場合、その過程で外に向けた物語を作りがちだ。だが、実際はただただ現実的な問題によることが多い。その辺を私みたいな外野が言う権利などない。

私が今回の阿諏訪の件で言いたいのは、ただひとつ。ひとつだけ。ひとつだけ言いたい。

「キャンプ芸人は事務所辞めがち」(RGさんすいません)  

これです。逆にこれしか言いたくない。

阿諏訪は筋金入りのキャンプ芸人である。彼は料理好きで、いろんな味を再現させる才能を持ち、極々たまにレザークラフト芸人の顔も覗かせるが、その根幹はキャンプ芸人。キャンプグッズもプロデュースするくらい、もはやキャンプオタクと言ってもいい。

私はキャンプ芸人ではないが、ただ想像してみる。

雄大な自然の中で過ごし、自らの力で火を起こし、誰にも邪魔されない自分だけの時間を過ごす。仲間と一緒に行くときは、適度な距離感で、喋りたいときは喋り、1人でいたいときは1人でいる。

ハマる気持ちはわかる。いや、むしろ機会があれば行きたい。ハマりたい。

今や一大勢力になったキャンプ芸人。その筆頭、もちろんヒロシさんだろう。そしてバイキング西村さん、ベアーズ島田キャンプさん、じゅんいちダビッドソンさん、スパローズ大和さん、ウエストランド河本くん、そして阿諏訪。もちろん他にもたくさんいるだろう。

ただ、お気づきでしょうか? 名前を上げさせてもらった人の半分以上は、事務所から独立していることに……。