ネタ作りはすごく早くなった

――ネタはお二人で作られているそうですが、どういうところから着想を得ていくんですか?

初瀬 僕ら、ほかの人よりパターンが多いかもしれないです。設定が先に出てくることもありますし、『玄武』でやった『LIKE ホテル』っていうネタは、5~6年くらいスマホのメモにその言葉だけが残ってて。僕、メモを全部残してるんですけど、着手してもできひんなっていうのを繰り返していて、今回パッと流れができたんです。かと思えば、『青龍』の『赤ちゃんじゃない人』っていうネタはネタ合わせ中、森下が急に「赤ちゃんじゃないよ」って言い出して。“それ、おもろいな”って感覚のみで作りましたし、『中身ジャニーズ』は何かの番組でキャラクター先行でやって、キャラ自体おもろいから何かできひんかって考えたものなんです。やから、こうやって作るみたいなのは決まってないかもしれない。

森下 うん、マジでないですね。

初瀬 『グリーンチャム』も、最初から新しい風習をやってるおっさんみたいな感じのアイデアがあって、面白そうやから作り出したら、あの展開になってたっていう。

森下 あのネタ、僕的には別の設定で骨組みを考えていて。後半の展開は別のネタで提案してたんですけど、それが頭に残ってる状態でネタを作り出したら、当てはまったものでした。

初瀬 今回は新ネタ28本やってて、めっちゃネタを作れるのが僕らの強みだと、いろんな人に言っていただいて。確かにそうだと思うんですけど、膨大なアーカイブがあるというか。ボツネタも、いつか何かになるんちゃうかって諦めずに持ってますし、これから芸歴を積めば積むほど、そのアーカイブも大きくなるので、今後もずっとネタは作り続けられるんじゃないかなと思ってます。

――作業効率的にはどうですか? 二人で作るとなると時間がかかりそうですけれど。

森下 今は、かなり早くなったと思います。僕ら、以前はもっと仕事がなかったこともあって、単独をやるとか新ネタを作るってなったら、吉本の本社で朝まで10時間いたんです。最初の発想をポンと出すのは僕だったりするんですけど、(アイデアが出ないまま)初瀬が無言で延々と居続けるっていう、お互いに地獄の時間があって。けど、今は劇場の合間2時間で作らなっていうのがあるんで。

初瀬 喫茶店も早よ閉まるようになって、それが僕らの締切にもなりましたし。

森下 僕もアイデアをバンバン出さな、初瀬も早よまとめなって、スイッチ入れてやるようになったんで、すごく早くなった。それあるよな?

初瀬 うん、頑張り過ぎなくなりましたね。やっぱり休息は大事っす!(笑)

ななまがりさんへのインタビュー記事は、発売中の『+act. (プラスアクト) 2022年11月号』に全文掲載されています。