思考性の高いボキャブラリーを掛け合わせていくしゃべくり漫才で、関西を中心に活動する漫才師・カベポスター。デビューから10年以内の若手芸人による『ABCお笑いグランプリ』では2019年に準優勝となり、今年、4度目の挑戦にして初優勝を果たした。更に『第11回ytv漫才新人賞』でも優勝と、関西の主要な賞レースで2冠を達成。8月に開催された大型お笑いフェス『LIVE STAND』にも出演し、9月30日には大阪・よしもと漫才劇場で単独ライブ『核心に迫りりす』を開催と、今後さらなる飛躍が期待されている注目のコンビだ。
※本記事は『+act.(プラスアクト)2022年10月号』(ワニブックス:刊)より、一部を抜粋編集したものです。
永見「僕はまだ優勝気分です」
――『ABC~』優勝についてお伺いしたいんですけど、まずはおめでとうございました。あれから1ヶ月くらい経ったので、すでに気持ちを切り替えている状態でしょうか。
浜田順平(以下、浜田) ありがとうございます。まぁ、もう優勝したという感じはないかもしれないですね。
永見大吾(以下、永見) ありがとうございます。僕はまだ優勝気分です。
浜田 うわぁ、いいなぁ。味わえてんねや。
永見 うん、まだ味わってる。誰かと飲みに行ってとかじゃないけど、家にいるとき、ABCと一緒に飲んでる感じはありますね。
浜田 この前の『LIVE STAND22-23 TOKYO』で、ケンコバさん(ケンドーコバヤシ)が通り過ぎるとき「よかったな」って声をかけてくださったのは、めちゃくちゃうれしかったです。とろサーモンの久保田さんにも「おめでとう、『M-1』どうするの?」みたいなことを言っていただきましたし、近い仲間や先輩にも「おめでとう」って言っていただいて。
永見 ほかの東京の方からも「おめでとう」って言ってもらってうれしかったですし、なによりいろんな方が『ABC~』を見てくださってるっていうのがうれしいですよね。漫才劇場にいる人たちもほぼ全員、言ってくれたよね?
浜田 ほぼって(笑)。言うてない人おるなぁ感出すの、やめてくれや。
――それくらい注目の高い大会だということですよね。優勝した瞬間、おふたりとも安堵の表情を浮かべたのが印象的でした。
浜田 1回目とか2回目で優勝してたら、おっしゃーって感じだったと思うんですけど、『第11回ytv漫才新人賞』優勝後っていうのもありましたし、ハードルも半ば上がって諦めてる気持ちもちょっとあったんです。やから、あぁ、獲れんねやってホッとしました。
永見 改めてあの瞬間を映像で見たとき、よっしゃーとか言ってないんで、“うわぁ、こいつらかわいくないな”と。味わってる喜び方やったんで、そこら辺はもうちょっと取り繕ったほうがよかったのかなと思いましたね。
――たしかに、2年前に優勝したコウテイさんは号泣でしたもんね。
永見 そうですね。あれ、100点ですよね。
浜田 でも、あとで下田さんに聞いたら、これで娘を食わしていける!っていう(喜びだった)。そのときは知らんかったやろ?〔注:コウテイ・下田は今年、3年前に結婚し、3歳の子どもがいることを公表した〕。
永見 あはは! 答え合わせみたいになってるやん。