最年少で56本塁打と三冠王を達成した村上宗隆

今シーズン56本塁打を記録し、最年少で三冠王を達成したのが村上宗隆である。この村上の場合は、打率こそ歴代の三冠王のなかでも低いほうではあるが、本塁打数はトップ。さらに、打点も130打点以上とトップクラスの数字を記録しており、いかに4番らしい4番打者だったかわかる。

村上に関しては、6月から8月の3ヶ月で34本塁打、77打点を記録。この3ヶ月間の数字がシーズンの成績といってもおかしくないほど打っている。

▲参照:https://baseball.yahoo.co.jp/npb/player/1700084/top

さらに、2004年シーズンとは逆で投高打低だったこともわかる。3割打者は4選手のみで、30本塁打以上は2選手、100打点以上に関しては村上のみである。

そういった時代背景もあり、首位打者以外は9月の時点でほとんど決まっていた、と言っても過言ではない。9月は調子を落としたことにより、2位の大島洋平と4厘差という結果に終わった。

今シーズンの村上の場合は、とにかくいい場面で打てていたことが大きい。得点圏打率に関しても.350を記録しており、リーグ1位となった。

さらに、松中が三冠王を達成したのは30歳だったが、村上の場合は22歳とまだ若いことも今後のポテンシャルを感じる。来年23歳となるが、松中と同様に日の丸を背負う中心選手としての期待が大きい。

▲2022年の打撃タイトル争い

三冠王を達成した松中が苦しんだポストシーズン

昨シーズン、村上は東京五輪で活躍を見せたが、クライマックスシリーズと日本シリーズでは苦しんだ。これは、松中も同様である。

2004年のシーズンは三冠王になり、プレーオフの第1戦ではホームランを放った。しかし、それ以降は苦しみ、最終的には19打数2安打1本塁打1打点という成績に終わり、チームは敗退した。

村上も昨年のクライマックスシリーズは、打率.222 、0本塁打、1打点と苦しんだ。日本シリーズも打率.217だったが本塁打は2本放ち、打点は3だった。このような点を見ると、苦しみながらいかにチームに貢献できるかも、勝利には必要であることがわかる。

さらに、打高や投高も大きな影響を及ぼしている。2004年のプレーオフは、完封試合がなく、点差も大きく開いた試合があったが、2021年のクライマックスシリーズは完封試合が2試合あった。さらに、日本シリーズも僅差の試合になり、大量得点をあげる展開はなかった。この状況を見ても、今年も投高の短期決戦が予想される。

そのため、村上はシーズンのような活躍はできなくても、次の打者に良い形で回せるか、しぶとく打点を挙げられるかが重要になっていく。


プロフィール
ゴジキ(@godziki_55)
自身の連載である「ゴジキの巨人軍解体新書」「データで読む高校野球 2022」をはじめとした「REAL SPORTS」「THE DIGEST(Slugger)」 「本がすき。」「文春野球」等で、巨人軍や国際大会、高校野球の内容を中心にコラムを執筆している。今回、新たに「WANI BOOKS NewsCrunch」にてコラムを執筆。Twitter:@godziki_55