10月15日(土)と16日(日)に京都市内の各所で行われている「京都国際映画祭2022」。今年で9回目の開催となる同映画祭は「映画もアートもその他も全部」をキーワードに、今年も「映画」「アート」「イベント」の3つのカテゴリから、リアルとオンラインのハイブリッドで行われている。

同映画祭のプログラムのひとつとして、ドキュメンタリー作品『バッドボーイズ佐田正樹 “保護司になる”』が上映され、佐田のほか、作品にも登場した鈴木文男(荒川区保護司会会長)と、実際に映画を見たオズワルドが登壇。作品への想いや感想を語った。

▲ドキュメンタリー作品『バッドボーイズ佐田正樹 “保護司になる”』

「当時は嘘をついていた」保護司に懺悔する佐田

現在はバッドボーイズでコンビとしての活動のほか、80万人を超える人気YouTuberとしての顔も持つ佐田。しかし、少年時代は暴走族の総長をしていて、保護司にお世話になっていた過去も持っている。

そんな佐田に今回、法務省から直々に「1か月保護司」という期間限定の保護司活動の依頼が舞い込む。「まだ俺には早い……」と二の足を踏む佐田だったが、「60歳を見越してやることを前提に勉強させていただく」という形でオファーを受けることに。

2022年夏、佐田の新米保護司体験の模様を、そのとき彼が感じた想いと共に記録したのがこの作品だ。

作中では、実際に保護司のお世話になる、という経験のある佐田ですら知らなかった保護司という仕事の内容や、ボランティアで行っているということ、さらに保護司それぞれの考え方ややりがいを聞き、実際に行っている面談にも同席、自身の経験から少年たちと向き合う場までを撮影した、かなり重厚な作品に仕上がっている。

上映後のトークセッションでは、MCの浅越ゴエ(プラン9)から感想を聞かれた佐田は「自分が保護司と向き合っていたときを思い出しました」と語り、「当時はめんどくさい、嘘をついていた」と明かした。「ただ、保護司の人が“相手は嘘をついて当たり前の人”。だけど、“でも向き合ってあげるのが大事”と聞いて、重い言葉だなと思った」と、当時の自分の状況を重ねながら話した。

ゲストで来たオズワルドも、保護司という仕事について知れたと感服しながら、「佐田さんの歩き方に、やんちゃしていた時代の名残が出ていた」(オズワルド伊藤)と独特の視点で感想を語った。オズワルド畠中は「何歳から保護司になれるんですか?」と質問し「僕もやってみたいなと思った」と軽々しく言い、「お前は無理だよ!」と伊藤につっこまれる一幕も。

作中で、佐田が「今の僕では、まだ保護司にはなれない。誰が言ってるんだってなっちゃう」と語ったことに対し、浅越が「やらないの?と思った」とツッコミが入ると、鈴木から「もう立派な保護司ですよ」と太鼓判を押された佐田。

しかし、再度「現実を見たからこそ、今の自分では力量不足だと思いました。今の僕にできることは、保護司という仕事をPRしていくこと。単純に保護司の高年齢化もある、成り手を増やしていくのが僕の役目」と説明した。

しかし、オズワルドの二人から「ルミネの劇場で面談してください。ネタを見せてから面談すればいい」と提案され、「片手間にできることじゃないから!」と固辞したあと「60歳以降、セカンドライフで」と保護司という仕事の重要さ知るだけに、噛み締めるように語った。

「京都国際映画祭2022」は、10月15日(土)と16日(日)に京都市内の各所で開催されている。