自民党が今国会での成立を目指している「著作権法改正案」。出版業界に衝撃を与えた「漫画村」を始めとする、さまざまな海賊版サイト対策の一環とされている。

しかし世界中で愛され読まれている日本の漫画でも、正規なルートで現地語に翻訳されている作品は一部であり、海外のマンガファンも海賊版サイトを利用しているのが現状のようだ。

買いたくても買えない日本のマンガ

2019年11月にスタートした英訳漫画の定額読み放題サービス「Manga Planet(マンガプラネット)」。

大日本印刷株式会社と共同で開発・運営している​株式会社ファンタジスタによると、日本における漫画の市場規模が約4,000億円であるのに対し、日本の2.6倍の人口を抱えるアメリカの市場が約200億円ということからも正規版の流通が少ないことが推し量れるという。

現地の出版社も人気作品から優先的に翻訳版を刊行、また翻訳版の単価が日本円にして1000円前後となるため、買いたくても手が届かない人たちがいるのも現実。

さまざまな魅力に溢れる作品が数多くある日本の漫画、海外のマンガファンにとって、自分が読みたい作品があるのは海賊版サイトしかないというのは珍しいことではないらしい。

そこで同社は、海外で既に人気のある作品から、まだ読まれていない名作を日本の出版社から許諾を取り、英語に翻訳して月額6.99米ドルで読めるサブスクリプションモデルのサービスを始め、2022年末までに配信作品数:3,000作品、有料会員数:15万人以上を目指している。

「Manga Planet」のサイトには、竹宮恵子先生の『地球へ…』や麻宮騎亜先生の『彼女のカレラEV』、外薗昌也先生の『犬神・改』などもラインナップされており、今後も順次追加されていくとのこと。

「マンガプラネット」で英訳・配信が始まった名作

▼マンガ配信の予定連携先(順不同)

祥伝社、ホーム社、リイド社、三栄、ぶんか社、海王社、ワニブックス、徳間書店、スターツ出版、ハーパーコリンズ・ジャパン、MUGENUP、外薗昌也先生 他(2019年11月現在)

そして2020年の春頃には、コミックガムの8作品が翻訳・配信されることが決まった。世界中にいる漫画ファンが、正規のルートで作品を読める機会が増えることを期待したい。

英訳・配信が決まったガムコミックス8作品
今春配信予定の作品(左上から順に)
セイキマツブルー/ヒロタシンタロウ
いこくい!! - かざりとエリーの放課後★異国ごはん -/みにまる
たすけてまおうさま/みなづきふたご
龍宮町は海の底/宵町めめ
ヴィエンナ・コネクション/高瀬理恵
メロンくりーむソーダ/門井亜矢
すうぃーぱっ! - 生活改善編 -/ZECO
ミミヨリハルモニア/わだぺん。

 ◎「Manga Planet(マンガプラネット)」

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