②調停離婚

調停離婚とは、家庭裁判所に調停の申立てをして、「調停委員会」を間に入れて話し合いを行い、離婚及びその他の条件について話がまとまれば、“調停成立”となり、調停調書という書面が作成され、離婚が成立するというものです。

ちなみに、離婚のために申し立てる調停を一般には「離婚調停」と言っていますが、正式には「夫婦関係調整調停」といいます。これは、離婚の話し合いをする場合だけでなく、円満な夫婦関係を回復する話し合いをする場合にも用いることができる手続です。

離婚をしたい場合、まずは当事者間で話し合いをして協議離婚をするというのが一番簡潔なのですが、協議が整わない場合や、協議ができるような状況でないような場合などには、中立的な第三者である調停委員会を間に入れた話し合いをしてみようということになります。当事者間同士の話し合いではまとまらなくても、第三者が間に入ることによってまとまることはあります。

調停委員会は、双方の言い分を聞いた上、法的な観点や常識的な観点から調整を図り、ときには当事者を説得などもしながら話し合いを解決に導きます。

調停の申立てに際しては、申立書等の必要書類を提出します。申立書等には、裁判所に簡単な形式の書式があり、誰でも簡単に申立てができます(書式は、東京家庭裁判所のウェブサイトからダウンロードもできます)。費用も収入印紙1,200円と連絡用の郵便切手代(裁判所によって異なります)と、非常に安価です。

申立てをする家庭裁判所は、相手方の住所地を管轄する裁判所です。かつては、別居の際に離れたところに引っ越しをした場合などは不便だったのですが、現在は、遠方の場合などは「電話会議」による方法をとることもできるようになりました。ただし、離婚が成立する期日には出席する必要があります。

調停の申立てをすると、だいたい1ヶ月後くらいに最初の期日が決まります。離婚調停においては、調停委員会が仲介するのですが、調停委員会は、裁判官(または調停官)1名と、男女1名ずつの調停委員から構成されます。ただ、裁判官(または調停官)はほとんどの場面で同席せず、基本的には調停委員と話をすることになります。

調停の期日においては、当事者が同席の話し合いではなく、裁判所の小部屋に交互に入って、調停委員に言い分等を話し、調停委員を通じて話し合います。

当事者双方が同席するのは、最初の手続についての説明時や調停成立時ないし不成立時などに限られています。また、そういった場合でも相手方から暴力を振るわれる恐れがあるなどどうしても同席したくない場合は、同席をしないことも可能です。危険性が高い場合は、それぞれの出席日を違う日にする場合もあります。

1回の期日に要する時間はおおよそ2時間~4時間くらいです。全く話し合いの余地もない場合には1回で不成立となりますが、解決の可能性がある場合、1回で終わることはなかなかなく、何回か繰り返されます。また、調停委員や裁判所の都合もあって、その間隔は1ヶ月くらい空くことが多いです。