晩婚化、未婚化がすすむ日本。しかしいまだに結婚しない男は「わびしい」存在と見られている。ほんとうにそうか。おひとりだからこその気楽さ、楽しさもあるのではないか。noteでの連載「介護幸福論」も好評を博す田端到さんによる、逆襲の「おひとり達人」宣言。

4人に1人の男が生涯未婚

2019年に内閣府から発表された2015年調査の「生涯未婚率」は、男性が23.4%、女性が14.1%だという。生涯未婚率には、統計から算出された「50歳時に一度も結婚したことのない人」の割合が使われる。今や4人に1人となった生涯独身男、これはもう十分な多数派勢力である。

ただ、まだ世間からは「わびしい」存在と見られている。

40代、50代の独身男は、せいぜい『家、ついて行ってイイですか?』に銭湯帰りを捕まり、4足780円のワークマンの靴下が散乱する汚部屋と、増毛剤の効かなかったクレーターのような頭頂部を映されたあげく、物哀しい「レット・イット・ビー」に見送られておしまい、という程度の脚光しか浴びない。

対して、結婚しない女はかっこいい。

家庭を持つよりも自分のやりたいことを優先して生きているアラフォーやアラフィフの女性は、時代の先端を走る存在としてメディアで特集され、頬に手を当てながら生き方を語る。それが求められている。

なぜ、こんなに落差があるのか? それは「結婚しない女性」は、自らそのポジションを選び取った力強さがあるのに、「結婚しない男性」は望みかなわず、そのポジションに落ちこぼれてしまったという残念な誤解があるからだ。また、すでに女性の側では一度論争が起きて、結婚しない女性の価値観が認められたからでもある。