目指すはバッテリーのわらしべ長者

バッテリーが減ってきたら、乗り換えればいいという指摘もあるでしょうが、なかなかそううまくいかないのがツライところ。なぜなら飲食店が多く、配達員がわらわらと集まってくるため、乗り捨てられたバッテリー残量の多い自転車の奪い合いも発生しているからなんです。

なんとかランチタイムの配達を乗り切ったら、なるべく残量が多い自転車に乗り換えたいわけですが、配達員が考えることはみな同じ。どこのポートも電池の残っていない自転車ばかりで途方に暮れてしまいます。皆さんも、お近くのポートを通る際に配達員がいたら、顔を観察してみてください。きっと、ギョロギョロと電力ゲージを見比べているはずです。

アタリを引く確率はごくわずか…

私は運良くバッテリー残量80%の自転車を発見し、残量20%の自転車から乗り換えまたがったら、後輪がパンクしていたことがあります。まぁ、元の自転車に乗ればいいだけなんですが、目の前で他の配達員が自分の返却した自転車をパパっと借りてしまい、その配達員が乗っていた自転車のバッテリーを見たら残り2%だったときの絶望は言葉にしようがありません。

そんなわけで、最近は自転車の奪い合いが激しいエリアに流されそうになるとアプリのスイッチを一度切って、奪い合いのない中央区や千代田区あたりまで戻り、再びスイッチを入れると言う防衛策をとる毎日。

ただ、この中央区や千代田区にも大きなワナがありまして……。

それが、配達で上野や浅草に流されることです。

都内でよく見かける赤いレンタサイクルですが、冒頭でお伝えしたように、このレンタサイクルのエリアがカバーしているのは23区中10区だけ。上野や浅草を抱える台東区には貸し出し・返却ができるポートがありません。

そのため、台東区と隣接する文京区の湯島や千代田区の秋葉原まで戻る必要があります。ところが注文の多いランチタイムには次から次へと配達の依頼が来るのがUberEats。上野で配達が終わった直後に日暮里への配達依頼、続いて南千住、さらに北千住と流されることが結構あるのです。

北千住のある足立区は赤い自転車のエリア外。返却&貸出ができるポートまでは6、7kmあります。ランチタイムの配達がひと段落した午後2時過ぎ、ふと気づけば北千住、バッテリー残量は5%……。

嗚呼やばい。。。。

数分後には、ただの鉄の塊となる運命

注文がまばらな時間帯、バッテリーが十分ならば、スカイツリーを眺めつつ下町の路地にフラリと入り込み、目についた雰囲気の良さそうな店で遅めの昼食、と最高の時間を楽しめるのですが、電池がないとなると、下町の風景など目もくれずバッテリー残量計とにらめっこ。そして途中から信じられないほどペダルが重くなることで電池切れを悟り、返却場所までの最後の1、2kmはトボトボ歩く。そんな地獄が待っています。

もし皆さんがランチタイムでもないのにキョロキョロとポートを探している配達員を見つけたとしたら、それはきっと電池残量が残りわずかなドライバーに違いありません。

危ない運転をしていない限り、ちょっと優しい気持ちで見守っていただければうれしいです。

ちなみに、「坂が多いのは新宿・渋谷だけじゃない」「もっと早く配達しろ!」といったご指摘、クレームに関しては、目を閉じてスルーさせていただくことを最後に記させていただきます。

それではまた次回、お会いしましょう。

『アラフォーUber Eats配達員 激走日記』は次回3/27(金)更新予定です、お楽しみに。