右脳的な感覚でやってる人に憧れがち

――シマダさんって美学に基づいて活動されているような気がするんですけど。

シマダ  えー、美学ですか? なんだろう……パーカッションって音楽のスケール感を増幅する役割があると思うんです。音でも見た目でも。だから。スケール感の認識がズレると、いわゆる「下品」ってやつになっちゃうので、上品でいたいですね。

――なるほど。ちなみに、マーチングバンドの講師をずっとやっていこうみたいな気持ちはなかったんですか?

シマダ うーん、マーチングバンドの講師やってるとき、そのチームが全国1位になったんですよ。で、マーチングバンドって意外と体育会系なんです。バチの高さがどれくらい合ってるか、とかも審査の対象になるんです。それがイヤだったってことは全然ないんですけどね。

そんな世界にいるときに、どついたるねんのライブを見て、めちゃくちゃカルチャーショックで。与えられた楽譜を演奏してることや、みんなで高さや動きを合わせるってのも楽しいですが、もっと能動的に音楽をやってみたくなったのでバンドやったりしました。

――音楽でもプライベートでもいいんですけど、何をしてるときが一番楽しいですか?

シマダ 音楽は、やっぱりライブやってるときが楽しいです。基本的にライブ中は、冷静になって俯瞰で見ようとしているんですけど、それも忘れちゃう瞬間があって。それはすごく楽しいです。

プライベートだと、コロナ禍になる前は浅草によく行って、そこに生きる人たちの確認作業してたときが楽しかったです。コロナ禍になって逆に観光客ばかりになって、最近はあまりできてなかったんですけど。

――確認作業?

シマダ そう、決まった時間にいるおじいちゃん、おばあちゃんを眺めて、“あー今日も氷結持ってるな”とか“めっちゃつけまつげしてるな”とか。だから『ゼルダの伝説 ムジュラの仮面」が好きなんです、あれって3日間がループする話じゃないですか。あの世界がすごい好きで。

浅草以外でも、新宿東南口のあたりに喫煙所があったんですけど、その前に日高屋、大勝軒、個室ビデオ、風俗店があるんです。性欲・食欲の2パターンずつがあるわけです。そこでタバコ吸いながら、通る人がどの店に入ってくかとか、自分の頭の中で4択の予想をやってましたね。ただ、その喫煙所もコロナで閉鎖されちゃって、悲しいですね。

――コロナの弊害がそこにも…(笑)。あと聞いてみたいと思ったのは、シマダさんが“この人にはかなわないな”って思う人はいるんですか?

シマダ いや、いっぱいいますよ。右脳的な感覚でやってる人に憧れがちです。僕は理屈がないと何もできない。神経質なところと、ものすごく適当なところがあって。最近、やっと理屈を飛び越えたときに、その理屈を飛び越えた部分をどれくらい優先させるかを学んだんですが、それで言うと、スカートのドラムをやられている佐久間(裕太)さん。

スカートでインストアイベントやったとき、生演奏だったんですけど、小さい会場だったんで、大きな音が出せないってなったんです。そのとき、並のドラマーならミュートしたりすると思うんですけど、佐久間さんの解決方法が、ドラムの高さを普段より下げる、だったんです。「これならあんま当たんないから」って。

――あはははは!

シマダ すごくないっすか? 理屈を超越してんなって。

▲4月6日は開演時間から見にきてください!

――最後に「第30回南太平洋シマダ選手権大会」について聞かせてください。

シマダ え? こんなインタビューでいいんですかね?

――大丈夫です。

シマダ まず、全ステージに出場します。いつもは酒飲んでライブしてるテクノウルフですが、この日はシラフでやります。Fullfaceは僕が唯一、曲つくってるユニットです。ヌーヴェルバーグ・ボディービートユニットです。スカートはレアめなセットで演奏するつもりですし、トリプルファイヤーも1年ぶりに参加します。姫乃たまxシマダボーイズは懐が広すぎる姫乃さんと、姫乃さんファンのおかげです。どんな内容なのか説明のしようがないので、開演時間から見にきてください。


▲第30回 南太平洋シマダ選手権大会
第30回 南太平洋シマダ選手権大会
2023年4月6日(木) OPEN 18:15 / START 19:15
開催場所:渋谷WWW
料金:前売 4,000円(税込 / オールスタンディング / ドリンク代別)
アクト:スカート / テクノウルフ / トリプルファイヤー / 姫乃たま x シマダボーイズ / Fullface

物販グッズ
▲灰皿
▲2曲入りコーム(櫛)
買わなくても画像に載ってるURLを打ち込んでくれれば聞けます。(本人談)
プロフィール
 
シマダボーイ
(Fullface/テクノウルフ/RHYTHM BILLGATES/シマダボーイズ)
1993年生まれ埼玉県春日部市出身。2013年頃、NATURE DANGER GANG 加入。2017年ソロアルバム『Rainbow and Serpent』発表。2023年現在、ヌーヴェルバーグ・ボディビートユニット「Fullface」、7人組即興マシンテクノ「テクノウルフ」、ドラマーGOTOとの人力スポーツDUBユニット「RHYTHM BILLGATES」のメンバーとして活動。パーカッショニストとしてスカート、トリプルファイヤー、KinKi Kidsなど、さまざまなアーティストのレコーディングやライブに参加する傍ら、マーチングバンドへの指導、映画、ミュージカル、ファッションモデルなど、多岐に渡り活動。Twitter:@shimadaboy、Instagram:@shimadaboy、tumblr:shimadakotaro